築後60年超の木造旧中学校校舎を移築…万博パビリオン・いのちのあかし、「世界の人に見てもらう」

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 映画監督の河瀬直美さんがプロデュースした大阪・関西万博のパビリオン「Dialogue Theater―いのちのあかし―」を、奈良県十津川村立十津川中学校の生徒ら約50人が24日、見学した。パビリオンは廃校となった旧村立折立中学校の木造校舎を移築。生徒たちは「世界デビュー」した村の遺産を誇らしげに見上げた。(中井将一郎)

エントランス棟を見学する生徒たち。壁や床、はりなどは旧折立中の校舎が使われている(大阪市で)
エントランス棟を見学する生徒たち。壁や床、はりなどは旧折立中の校舎が使われている(大阪市で)

 「いのちのあかし」は、大阪・ 夢洲ゆめしま の会場中央に配置された八つの「テーマ館」の一つ。旧折立中は1952年(昭和27年)に建てられ、木造2階建ての2棟が南北に並び立っていた。少子化で2012年に閉校。「ノスタルジー(郷愁)や手触りを感じさせたい」と考えた河瀬さんに見いだされ、2棟とも移築され、校舎の壁に茂っていたツタも移植された。京都府福知山市の1棟と合わせた計3棟がパビリオンとなった。

手すりもそのまま移築されたエントランス棟の階段(大阪市で)
手すりもそのまま移築されたエントランス棟の階段(大阪市で)

 この日早朝に村をバスで出発し、4時間がかりで会場入りした生徒たちは、そろって「いのちのあかし」に入館。経年劣化で色あせ、傷や汚れがついたままの柱や床材が使われた館内を見て回った。折立中跡の近くに住む生徒(14)は「身近にあった校舎が、今は世界の人たちに見てもらっている。歴史ある建物だったとあらためて分かった」と感心していた。

移築解体される直前の旧折立中校舎(2023年7月、奈良県十津川村で)
移築解体される直前の旧折立中校舎(2023年7月、奈良県十津川村で)

 かつて旧折立中の生徒で、教壇に立ったこともあるという前木伸一校長(59)は「(万博会場で校舎に出会うのは)不思議な気持ちだ」と漏らしながら〈校舎〉を見上げた。「何気なく見ている校舎にも価値がある。そんな思いで村を顧みてくれたら」と生徒たちに望んだ。

 旧折立中校舎が使われているのは、玄関にあたるエントランス棟と、休憩所にもなる「森の集会所」。エントランス棟3階には、川上村で伐採された樹齢400年の吉野杉の板8枚を「コーン」の代わりに使ったスピーカーがあり、奈良の里山を表現した鳥や水の音が聞こえる。

 福知山の校舎が使われた「シアター棟」では、来場者の1人がスクリーンを通して初対面の相手と対話し、他の来場者がその様子を映画のように鑑賞する体験が用意されている。

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