「スラムダンク舞台」誇り…広島経済大の石田記念体育館
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大型連休が始まり、スポーツ気分も高まる。夏に中国5県などを舞台にした全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)が控える中、中国地方のスポーツの「聖地」を訪ねた。
市街地が見渡せる高台の坂を上ると、銀色で丸みを帯びた大屋根の建物が見えてきた。4階建てで高さ約30メートル。その大きさに圧倒される。広島経済大(広島市安佐南区)の体育館「石田記念体育館」だ。
階段を上り3階のメインアリーナに入ると、バスケットボール部員が「一本集中」「いくぞ」と声を上げて練習をしていた。天井を見上げると、丸い照明が目に入った。バスケ部の高校生たちを描いた人気漫画「スラムダンク」に出てくるシーンと重なる。
1992年に完成した体育館は、漫画で試合会場のモデルになり、スラムダンクファンの「聖地」となっている。メインアリーナ(縦約70メートル、横約40メートル)はバスケコートが4面入り、725席の観客席がある。
大学を創設した石田成夫氏(1999年に死去)にちなんで名づけられたが、90年から96年まで週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された漫画の後半で、1文字もじった「右田記念体育館」として登場する。照明やでこぼこした壁などがそのままに描かれ、主人公たちの神奈川県代表チーム「湘北」はここを舞台に、インターハイで強豪の秋田県代表「山王工業」と対戦する。
2022年公開のスラムダンクのアニメ映画でも登場し、エンドロールに取材協力として大学名が流れる。山本俊介・学長室課長補佐は「映画を見て、体育館がスラムダンクに出たことを知った学生も多い。母校が出て喜ぶ卒業生もいた」と誇らしげな笑みを浮かべる。海外からファンが訪れることもあるという。
この体育館がなぜ漫画で取り上げられたのかは、定かでないという。山本さんは、1994年の広島アジア競技大会でバスケの主会場になったことが影響しているのではないかとみている。
ここで汗を流してプロになった選手もいる。新潟アルビレックスBBの冨岡大地選手(30)は2013年に入学し、バスケ部に約1年所属。授業の合間に一人で黙々とシュート練習をしたこともある。
「プロになれるか不安だったけど、体育館での練習が自信をつけさせてくれた。感謝している」と、かけがえのない日々を振り返る。そして後輩たちに「この体育館で練習できることに誇りを持って、リーグ優勝を目指してがんばって」とエールを送る。(綾木佑我)
インターハイ、7月開幕
広島県では3市1町で8競技種目が繰り広げられる。
広島市では陸上競技、水泳(競泳)、剣道の3競技。福山市では水泳(飛び込み)、ローイング、テニス、少林寺拳法がある。テニスは尾道市も会場になる。安芸太田町の山では8月に登山が行われる。