斎藤批判一色から選挙期間中の沈黙、「メディアが報じない真実」SNSで拡散…広がったメディア不信
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新聞やテレビが、選挙期間中に「政治的公平性」から沈黙し、その空白に「メディアが報じない真実」などと主張する立花が入り込んだ構図が浮かぶ。
読売新聞は男性職員の死亡を伝えた昨年7月9日の記事で「男性職員は公用パソコンで作成した私的な文書などの提出を百条委に求められる可能性が強まり、百条委側に『プライバシーに配慮してほしい』と要請していた」と報じていた。その後も複数回報じたが、私的情報の中身を取り上げることはなかった。告発内容の真偽と関係がなく、死亡した理由との関係も検証が困難だったからだ。
立花はほかに、今年1月に死亡した前県議が斎藤を陥れた「黒幕」とする主張も繰り返していた。別の県議から渡された出所不明の文書などに基づく主張だが、SNS上の一部で「真実」と受け止められ、今も拡散し続けている。
神戸市中央区で衣料品店を営む男性(60)は以前から斎藤を支持し、立花の主張が「真実に近い」と考えたこともあって斎藤に投票した。しかし、選挙から4か月たってもSNS上で真偽がわからない過激な投稿が飛び交い続けていることにうんざりしている。
「何を信じたらいいのか」
男性は、斎藤の情報は、テレビや新聞、SNSでも見ることをやめたという。(敬称略)
選挙期間中も報道を…曽我部真裕・京都大教授(情報法)
斎藤知事を巡る報道は、特にテレビの情報番組では表現に過剰な部分があった。それが選挙に入ると一転して沈黙したことが、メディア不信を招いた一因だろう。選挙期間中でも有権者にとって重要な情報は報じるべきだった。メディアに不信感を持つ人は、社会に不満を抱いているとの調査もある。メディアはそうした人の声にも耳を傾け、取材に基づいた正確な事実を伝えていくことが重要だ。