トランプ政権の研究援助削減「科学界は壊滅的な打撃」…世界の2000人が警告
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【ワシントン=中根圭一】ノーベル賞受賞者を含む米国を中心とした世界の科学者約2000人が、トランプ政権下で資金援助の削減が進む科学研究について、「壊滅的な打撃を受けている。立ち直るには何十年もかかるだろう」などと警告する書簡を公開した。
トランプ政権は「政府効率化省」の下で研究機関の予算を大幅に削減し、数千人の研究者を解雇している。書簡は、政権の動きを憂慮する有志の科学者がまとめ、3月31日付で公開された。
書簡では「科学界では恐怖の風潮が高まっている」とし、特に医学や気候変動分野で資金が削られていると指摘。「研究者たちは職を失うことを恐れ、研究を放棄し、助成金の申請書や論文を書き直している」と現状を説明した上で、「科学界への全面的な攻撃をやめるよう求める」と訴えた。
書簡には、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章・東京大卓越教授や、日本人として初めて、「数学のノーベル賞」とも呼ばれる国際数学賞「アーベル賞」の受賞を決めた柏原正樹・京都大特任教授らも名を連ねた。