国立病院機構の技師3人、利害関係ある会社から接待…うち1人は機密情報漏えい
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処分は報道公開せず、HPで3週間掲示のみ
利害関係のある医療用ソフトウェア開発会社から接待を受けたとして、独立行政法人国立病院機構九州グループ(福岡市)が診療放射線技師の男性3人を停職などの懲戒処分にしていたことがわかった。このうち1人は同社への機密情報の漏えいが確認された。同グループは報道機関には発表せず、処分後にホームページで約3週間掲示しただけだった。
国立病院機構(本部・東京)は全国に140病院を展開し、職員は「みなし公務員」で収賄罪の対象になる。九州グループは九州・沖縄の8県の28病院を運営。その一つ、嬉野医療センター(佐賀県嬉野市)では、放射線関連システムの導入を巡り、同社側から2019~21年に計42回の飲食接待を受けたなどとして、23年に元診療放射線技師長(60歳代)が有罪になった。
同グループによると、この事件を受け、不適切な行為の調査を行った。その結果、技師3人が、九州がんセンター、九州医療センター(ともに福岡市)、嬉野医療センター、熊本医療センター(熊本市)で勤務していた19~22年に同社から計5回の飲食接待を受けていたことが判明。接待は1回5000円程度だった。1人は病院の機密性の高い資料を同社側にメールで送っていたという。
処分はいずれも昨年3月1日付。1人が停職15日間で、残り2人はそれぞれ減給と戒告だった。刑事告訴・告発はしておらず、3人の年齢などは明らかにしていない。同グループは「機構本部とも協議し、事案の内容を総合的に考慮してホームページ上だけでの公表を決めた」と説明。「職員の非違行為が確認されたことは誠に遺憾。再発防止に努める」としている。