メタボと後期高齢者の健診で医療費「二重取り」医療機関の5割…過大徴収は5億8000万円
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健康診断で疾患がある人に改めて診療を実施した医療機関の5割が、健診分に加え、「再診料」として診療分の医療費を徴収する「二重取り」を行っていたことが会計検査院の調べでわかった。「初診料」として同様に徴収していた医療機関もあった。こうしたケースでは健診時と合わせて問診を複数回行うなど診療が重複することが多く、検査院は「診療分の徴収は適切ではない」とした。
検査院が問題を指摘したのは、生活習慣病予防のための特定健診(メタボ健診)と後期高齢者健診。過大徴収は、再診料と初診料を合わせて計5億8000万円に上ると推計される。
検査院によると、2022年度に18道府県で請求された医療費を調査したところ、計1万4659医療機関のうち7399機関(50・4%)がメタボ健診などの際、患者や自治体などから再診料を加えた医療費を徴収。初診料についても、少なくとも94機関が過大徴収していたという。
当時の再診料は730円、初診料は2880円。3割負担の場合、患者はそれぞれ219円、864円を負担することになる。
検査院の指摘を受け、厚生労働省は地方厚生局などに対し、メタボ健診や後期高齢者健診の際に再診料や初診料の徴収を認めないよう求める事務連絡を出した。