熊本市の私立高校生が不登校、原因は複数の上級生から殴られ「死ね」「邪魔」…学校側は報告書を公表せず
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熊本市内の私立高校で2022年に運動部の上級生から暴行を受けた生徒(当時16歳)が不登校になり、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定された問題を巡り、学校が設置した第三者委員会は「上級生による暴言や暴行が原因」との調査報告書をまとめた。生徒側の代理人弁護士が3日、明らかにした。
報告書によると、生徒は22年4月以降、複数の上級生から殴られたり、「死ね」「邪魔」などの暴言を受けたりした。上級生は、所属していた運動部で監督を頂点とする体制に不満があり、はけ口として生徒への暴言や暴行に及んだと結論づけた。生徒は約40日間欠席し、その後は別室登校したという。高校は外部通報を受けて調査を行い、上級生を無期限停学などの処分とした。
報告書は今年1月末にまとめられたが、学校側は公表していない。生徒側は「これまでを反省し、学校の誠意ある対応を期待する」との談話を出した。学校側は報告書の内容を認めたうえで「いじめの認定は重く受け止めている。再発防止に努めたい」としている。
報告書では県立学校の場合、県教育委員会の介入があることから「私立・公立を問わず、手厚いサポート体制を構築するべきである」と県への提言も盛り込んだ。県私学振興課は「課題があれば学校側の意見を聞きながら改善していく」としている。