青春の待ち合わせ場所「新宿アルタ」28日閉館、「いいとも!」タモリさんからもメッセージ

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 東京・新宿の待ち合わせスポットとして知られる商業施設「新宿アルタ」が28日、営業終了を迎える。1980年の開業以来、行き交う人々を見つめ、たくさんの思い出を彩ってきた。かつて通った人たちからは別れを惜しむ声が絶えない。

28日で営業を終了する新宿アルタ(25日、東京都新宿区で)
28日で営業を終了する新宿アルタ(25日、東京都新宿区で)

 東京都杉並区のフリーのゲームデザイナー野田弘一さん(61)が初めてアルタを訪れたのは、高校2年のとき。当時は珍しかった大型ビジョンの迫力に驚き、流行のファッションに身を包んだ人々に目を奪われた。

 予備校が近かったことから度々通りかかった。その頃、ビル内のスタジオでは、フジテレビ系の人気番組「笑っていいとも!」の公開収録が行われていた。「芸能人が出てくるかな」。通る度にドキドキした。

 28歳の頃、アルタ前で絵を描くようになった。デザイン会社を辞め、アニメ業界を目指していた時期で、人物画の技術を磨くためだった。アルタ前を選んだのは「『待っている人』が多いから」。動かないのでモデルにぴったりだった。

1980年代の新宿アルタ
1980年代の新宿アルタ

 肉体労働のアルバイトの合間を縫って、多いときで週に5回通った。数分でさっとシルエットを描き、帰宅してから記憶をたどって色鉛筆で色づけした。

 大きなカメラを持った女性やサングラスをしたこわもての男性、外国人のカップル――。様々なタイプの人たちは観察していて面白かった。人物画の引き出しが増えていくのを感じた。

 疲れたときには缶ビールを1缶だけ持ってビルの前に腰掛けた。ぼーっと大型ビジョンを眺めるだけで、「明日もがんばるか」という気持ちになれた。

 そんな生活が3年続いた。最終的にアニメ業界には転職しなかったが、ゲームのキャラクターや背景を描く仕事を得た。アルタ前での日々は無駄ではなかった。

 描きためたノートは10冊。今も大切に保管している。「青春の思い出が詰まった場所。寂しいけれど、新しく生まれ変わっても応援していきたい」。野田さんは、アルタにそう感謝した。

 スタジオのほか、アパレルや雑貨店が入居するアルタの営業終了が発表されたのは昨年3月。収益悪化などが背景にあるという。

 「よくみんなで集まり遊んだ。青春そのものでした」「高校生のとき、遠距離恋愛の彼女との初デートで待ち合わせした。色んな思い出をもらった大切な場所」

 昨年11月に開設されたアルタの特設サイトは、ファンらの書き込みであふれている。館内には、いいともの司会者だったタモリさんら、ゆかりの著名人のメッセージも並ぶ。

 最終日の営業は午後8時半まで。所有するダイビル(大阪市)はビルの今後について、「何も決まっていない」としている。

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