サンドラがみる女の生き方

「元カレに連絡」海外では当たり前なのに日本だと「だらしない女」扱い?

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日本と海外を比べると、街の景観、ファッションや食生活などさまざまな違いがありますが、そのなかでも面白いのが 「恋愛」に関する考え方の違い です。例えばヨーロッパでは、「元カレ」や「元カノ」と交流を続ける人は珍しくありませんが、日本の一般的な感覚だと、これは「ビックリする」ことのようです。

果たして、恋愛をして別れた2人が「友達」としてつきあい続けることは可能なのでしょうか……? 海外と日本を比較しながら考えてみたいと思います。

連絡先までキッパリ「削除」

写真はイメージです
写真はイメージです

日本では、別れたら連絡先を消し、一切の交流を絶つ人が少なくありません。筆者の日本人の女友達は、「理由があって別れたんだから、その後は会いたくない」と口をそろえます。

面白いのは、ドイツなどヨーロッパの国で育った人は、また違った感覚を持っているということです。筆者のドイツ人の女友達を見ると、元カレと「今は友達」の人、「バッタリ会えば立ち話をして近況報告をする程度の距離感」の人、「クリスマスや誕生日などにメッセージやカードを送り合う」人などがいます。

それぞれ形は違うけれど、何らかの交流を続けている人が目立ちます。60代のドイツ人の女友達は、「何十年も前に付き合っていた男性と今もクリスマスカードのやりとりをしている」そうです。

実は、筆者自身も過去につき合ったドイツ人男性とSNSやメールなどでつながっています。こちらが結婚をした時には「おめでとう」の言葉をもらいましたし、その元カレに子供が生まれると、一家の写真が添付ファイルで送られてきました。「結婚」「子供の誕生」「外国への引っ越し」など「人生の節目」には、かつてつき合いのあった人として、元カノや元カレにも報告する、といった感じです。

元カノは「遠い親戚の子」

上記とは別のドイツ人の元カレは、現在ドイツに住んでいます。先日、その彼が出張のため来日した際に「お茶でもしないか」とお誘いがあり、筆者の仕事場の近くでパニーニを食べながらお茶をしました。

本当に久しぶりでしたが、互いの仕事や家族、そして共通の友達の近況などについて話して、楽しい時間を過ごしました。時間にして1時間ちょっとです。一通り近況報告をした後は、「最近あったちょっと笑えるエピソード」などを語り合い、和やかにお別れしました。私としては、非常に「さわやか」な再会だったと感じているのですが、日本人の女友達に話したら「ありえない」とドン引きされてしまいました。

このあたりの感覚は、やはり「文化の違いによるもの」なのだと思います。ドイツ人を含むヨーロッパ人男性にとって、「元カノ」という存在は「いとこ」や「遠い親戚の子」という位置づけのような気がします。だから、たまに近況を知りたくなるだけで、そこに下心はないのでしょう。筆者自身もそこはヨーロッパ的で、よほど変な別れ方をしたのでない限り、つながりがある方が自然だ――という感覚です。

これはもしかすると、ドイツを含むヨーロッパでは恋人を気軽に親に紹介することとも関係しているかもしれません。互いの親も知っているような関係の場合は特に、「別れた後はただの他人」ではなく、たまに近況報告をしては「お母さんは元気?」「弟は元気?」といった会話をします。それは、「ごく当たり前のこと」のように思います。

ドイツの場合は、むしろ「元カノや元カレという存在」をかたくなに拒否する場合、その元パートナーが「かかわってはいけないようなアウトローな道に進んでしまった」とか、「人間的に問題のある人」だというケースが多い印象。そうでない場合は、上記のような交流を続ける人が多いです。カップルとしてはうまくいかず、結果的に相性がよくなかったと分かっても、友達として相性が悪いとは限りません。

お茶を飲んだだけで「性的な関係」を妄想?

こちらのコラムだけは別ですが、筆者は「元カレとの交流」について、実はあまり人に話さないように注意しています。というのも、「元の恋人と今は友達」だとか、「元の恋人と今も交流がある」といった話をすると、「昔つき合っていた人と今も性的な関係がある」と解釈する日本人男性が少なくないからです。

そんな誤解をされるのは不本意だし、こちらが「だらしない女」だと人格を疑われるハメになってしまうのはなんだか悔しいので、軽率にそういった話をしないように気をつけるようになりました。

ヨーロッパの一般的な感覚だと、元カレと会って「お茶をした」というのはそれ以上でも以下でもありません。そこにあるのは、「会ってお茶した」という事実のみ。性的な関係について妄想を膨らませる人はあまりいません。

しかし、日本だと先述したように「交際の終了とともに相手の連絡先は消す」という人が少なくありません。そんな“常識”のもとでは、やはりいろいろな想像をしてしまう人もいるわけです。そこで「私はお茶しかしていない!」と言い張るのも、なんだか 馬鹿(ばか) らしいので、よほど親しい友達でない限り、そういった話をすることに慎重になりました。

日本人×外国人カップルならケンカの原因に

このように、「元カレ」「元カノ」に対する感覚は、日本とヨーロッパでだいぶ違いますので、「日本人×ヨーロッパ人」のカップルが、そのことが原因でケンカになったという話も聞きます。

あるドイツ人女性は、欧州某国出身の元カレから誕生日に「おめでとう」メッセージが来ましたが、それを知った現在の日本人彼氏が「そういうのは良くない」「相手(女性の元カレ)には下心があると思う」と不快感をあらわにしたといいます。それに対して女性が反論し、ちょっとした喧嘩になってしまいました。

ある日本人女性は、「(ドイツ人の)彼が元カノの連絡先を消さない」と悩んでいました。現段階で浮気を疑っているわけではないけれど、「連絡先を消していないこと自体が不快」とのことでした。「文化」や「感覚の違い」にかこつけて浮気をする人がいないとは言えないので、難しいところではあるのですが、そこは「どこまでが文化で、どこからが本当に怪しいのか」を見極める能力を身につける必要がありそうです。

もちろん、日本にもヨーロッパにも色んな感覚の人がいるので、一概には言えません。日本人でも過去の交際相手と連絡を取る人はいますし、過去のパートナーと一切の交流をしないヨーロッパ人だっています。

ただ、全体の傾向としてヨーロッパでは「昔の恋人と交流して何が問題なの?」と考える人が多いのは確かです。もし、これを読んでいるあなたがヨーロッパの男性とつき合っている場合、いつか彼から「今元カノが日本に来ているから、みんなで会おうよ!」なんて持ち掛けられても……驚いてはいけません。(コラムニスト サンドラ・ヘフェリン)

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プロフィル

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト
ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年以上。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。ホームページ「ハーフを考えよう!」。著書に「なぜ外国人女性は前髪を作らないのか」(中央公論新社)、「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)など。新著は「ドイツの女性はヒールを履かない――無理しない、ストレスから自由になる生き方」(自由国民社)。
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