サンドラがみる女の生き方

国際結婚したカップルにありがちなことって?

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卓球の福原愛さんや女優の寺島しのぶさんら、国際結婚をしたカップルは多いですよね。厚生労働省の「夫婦の国籍別にみた年次別婚姻件数」によると2016年の数字として2万1180組のカップルが国際結婚しています。

さて、国際結婚というと「キラキラしていて楽しそう」なイメージがありませんか? 今回は誠に勝手ながら、国際結婚の親から生まれた身(私の父はドイツ人、母は日本人です)として、そして自分の両親など国際結婚カップルを間近で見てきた者として、「国際結婚あるある」について語ってみたいと思います。

子供が通訳!夫婦間の言葉の「壁」

写真はイメージです
写真はイメージです

夫婦に互いに共通の言語があり、スムーズに会話できればよいのですが、2人とも相手の国の言語がカタコトだったり、英語の能力もあまりなかったりすると、日常の簡単な会話(「どこに行こうか?」「なに食べようか?」「帰りは何時?」など)には支障がなくても、「深いところまで話す」にはお互いの語彙ごいが少ないことから、意思疎通に問題が生じ、結果的に会話が少なくなってしまうこともあるようです。

会話をしていても、解釈の違いがあったり、誤解が生じたりと、言語の壁を乗り越えるのはなかなか大変。冗談のような話ですが、5歳の子どもが両親の通訳をしていたりすることもあります。子どもは両親の言語をおぼえるのが早いですから「パパ! ママがなんとかって言ってるよ」というふうに教えてあげるわけです。また親と出かける際に、たとえば親がデパートの店員さんとうまく話せないと、子どもが「●●はありますか」と親に代わって聞く場合も。

「親の通訳をする」というのは「言葉で苦労している国際結婚の夫婦」の間に生まれた子どもにとっては「ハーフあるある」だったりします。

同じジョークに笑えない

国際カップルの場合、日本人が日本語で飛ばしたダジャレに、もう一方は笑えない、ということが少なくありません。逆もまたしかりで、例えば欧米人男性が言う欧米風のブラックジョークに日本人の奥さんが笑えなかったりします。

これは言葉の壁でジョークが理解できないこともありますが、「笑いのツボ」や「笑いのセンス」が国や文化ごとに違うがために「一緒に笑えない」という現実もまた確かにあるのでした。

テレビのお笑い番組を一緒に見ていても、片方が大笑いしている一方で、もう片方には面白さが全く理解できない場合も。ちなみに筆者は日曜日に日本テレビ系列で放送されている「笑点」がほのぼのとしていて好きなのですが、あの面白さを日本語が分からない外国人に説明するのは、やはり厳しいものがあります。とても残念なことに「ジョーク」というものは外国語に翻訳しても、面白くもなんともありません。逆もまたしかりで、外国語のジョークを日本語に訳しても興ざめだったりするのは何とももどかしいです。やっぱり笑いでつながれるとうれしいですから。

「国際結婚」について、今回は「言葉の大変さ」と「笑いのツボ」にスポットをあててみました。もちろん言葉がバッチリの国際カップルもいますし、笑いのツボが「お互いにピッタリ!」の場合もあるかと。ほかの結婚と同様、国際結婚の場合も、そこは千差万別なのでした。

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プロフィル

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト
ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年以上。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。ホームページ「ハーフを考えよう!」。著書に「なぜ外国人女性は前髪を作らないのか」(中央公論新社)、「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)など。新著は「ドイツの女性はヒールを履かない――無理しない、ストレスから自由になる生き方」(自由国民社)。
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