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日本人女性の髪形はきちんとしすぎ?欧米人女性がナチュラルな理由

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女性は髪形によってだいぶ印象が変わりますよね。そして所違えば、「髪形の好み」もだいぶ違ってくるようです。今回はそんな「髪形」や「髪の色」の違いにスポットを当ててみます。

欧米人女性の髪形が「ナチュラル」な理由

写真はイメージです
写真はイメージです

日本の街中を歩くと、髪をきれいに手入れしている女性が多いなと感じます。日本の女性は仕事、プライベート、結婚式にお呼ばれした時……など、TPOに合わせた髪形にアレンジするのが得意なようです。

出かける前に、髪をブローしたり、ヘアアイロンを使って真っすぐにしたりと、髪形に気を使うことがわりと日常生活に組み込まれているように見えます。

欧米人女性はというと、「どこまでもナチュラル」なヘアスタイルが主流です。いつも「ひっつめ髪」の人もいれば、日本の感覚からすると「ボサボサ」の髪を下ろしている人がいたり。

ニッポンではあまり見かけることはありませんが、「先ほどまでは髪を下ろしていた女性が、いつの間にか髪の真ん中に鉛筆を差し込んで、お団子ヘアにしていた」なんていう姿も見かけたりします。髪が軽いので、団子の真ん中に鉛筆を差し込むことで簡単に髪がまとまってしまうのですね。

しかし、日本の感覚からいうと、「髪に鉛筆?」とビックリすることのようです。髪にペンや鉛筆を差し込むのは、そもそもアジア圏ではあまり主流ではないようで、筆者が昔、働いていた日本の会社でも、欧米帰りの帰国子女の女性が仕事中、髪の毛に鉛筆を差し込んで団子にしていたところ、その場にいた日本人、韓国人、中国人がどよめいたことがありました。

そんなことからもわかるように、髪に関する「常識」というものも、国によってだいぶ違いますね。ではなぜ、欧米圏では「崩した感じのヘアスタイル」や「ちょっとヒッピー的な雰囲気のある髪形」が主流なのでしょうか。それは、髪形を「作り込み過ぎること」は不自然だという感覚がどこかにあるのだと思います。

そして、「大人の女はナチュラルな髪形」という共通の認識もあるため、あまりに工夫されたものや、キッチリ感が強いもの、編み込みなどの手の込んだものは、どこか「子供向きの髪形」と見なされる傾向もあるのでした。

ちなみに、私が子供の頃はドイツでよく三つ編みやツインテールなどにしている同級生がいたのですが、最近のドイツでは、そういった髪形の子供も昔ほど見かけなくなりました。今では小学生なのに、前髪を作らず、大人びたワンレンにするなど、子供世代にも「大人ナチュラル」が広がっているようです。

ヨーロッパでも地域差

日頃からそんな「ナチュラルスタイル」の髪形が多い欧米人女性ですが、では、パーティーがある場合は髪形に「凝る」のかというと、それがそうでもないのでした。結婚式に招待された時や、カクテルドレスを着る場面でも、髪形はナチュラルスタイルのままのことも。日本だと、結婚式に招待された時などには、美容室を予約する女性が多いようですが、ドイツの場合は、自己流でササッとアップにしたりする程度です。

日本では美容室の数も多く、髪を切ったり染めたりする以外にも、お出かけ前に髪をアレンジしてもらうために美容室へ行く女性も多いようです。一方、ドイツでは美容室というと、「主に髪を切りに行く」ところで、お出かけ前のブローやセットのために美容室に行く女性はあまりいないのでした。

ただこれは、ヨーロッパの中でも実は地域差があります。髪の毛を含む「オシャレ」に関しては、ドイツやオランダ、スカンジナビア諸国などは、素肌も髪も「ありのまま」のナチュラルであることが多いです。逆に、ヨーロッパの南に行けば行くほど、そして東に行けば行くほど、化粧も髪形も作り込まれていく傾向があり、日本でいう「女性らしさ」が増すので、ちょっと面白いです。

ドイツの女性はというと、髪を染めるのが好きで、季節ごとに染めたり、ガラリと全く違う色に染めたりと、わりと色に関して冒険をする人が多いです。ただ、「金髪」に染める場合は「ナチュラルなブロンド」にこだわります。ベージュに近い色の金髪が「自然」だとされています。もちろん染めている時点で自然ではないのですが、それでもなるべく自然な金髪に見えるよう気を使いながら染める人が多いです。

実は、生まれ持った金髪というのは、大人になると明るめの色とベージュの色が混ざっていたりします。濃い髪の色の人が金髪に染める時も、わざとベージュと明るい金髪を組み合わせ、メッシュなどを入れてあえて少し「まだら」にすることで、より「自然な金髪」に見せるなど、このあたりのテクニックはちょっとすごいかもしれません。

逆に、マクドナルドのロゴのような黄色っぽい金髪に染めるのはあまり好まれません。実は、筆者は20代の頃に日本で、仕事の関係で金髪に染めてもらったことがあるのですが、最初に染めた時、まさに前述のロゴのような「真っ黄色の金髪」に染まってしまいました。この色は、日本人の評判は悪くなく、写真映えもしたものの、その後に会ったドイツ人の友達がみんな一瞬、無言になったことが懐かしく思い出されます。

髪形もそうですが、髪の色に関しても、まさに国が違えば「好み」が違う、ということがはっきりとわかった瞬間でした。

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プロフィル

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト
ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年以上。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。ホームページ「ハーフを考えよう!」。著書に「なぜ外国人女性は前髪を作らないのか」(中央公論新社)、「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)など。新著は「ドイツの女性はヒールを履かない――無理しない、ストレスから自由になる生き方」(自由国民社)。
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