PCR検査の投資詐欺、出資金は「借入金」名目…契約偽装か
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PCR検査事業を巡る投資詐欺事件で、警視庁に詐欺容疑などで逮捕された医療関連会社の社長(44)らが、事業資金の「借入金」として出資金を預かっていたことが警視庁幹部への取材でわかった。18都府県の計135の投資家と法人から約32億円を集めており、警視庁は、不正な投資勧誘で摘発されないよう、契約を偽装していたとみている。
他に逮捕されたのは、会社社長の知人でコンサルティング会社役員の入江正和(50)、別のコンサルティング会社社長の曽我郁人(29)両容疑者ら男5人。
会社社長らは2022年3~9月頃、国への登録がないのに、都内の会社役員ら5人にPCR検査キット販売事業への出資を勧誘。このうち3人に、月5~8%の配当や出資額の全額償還をうたい、計6000万円をだまし取った疑いで17日に逮捕された。
勧誘の際には、「海外から1個2000円で仕入れた検査キットで、無料検査事業を運営する」「国の補助金で5倍近くの利益が出る」などと宣伝。出資者とは金銭消費貸借契約の書面を交わし、借入金として金を集めていたという。
警視庁は、会社社長が集金の仕組みを考案し、曽我容疑者らが勧誘していたとみている。集めた金は、入江容疑者が経営する会社の口座で管理されていた。
入江容疑者は投資家らに対し、検査キットの輸入販売卸会社への送金記録を見せ、事業に実態があると装っていたが、実際には送金から数日後、口座に全額を還流させていたという。
検査キットの仕入れや補助金の申請は行われておらず、警視庁は、金子容疑者らが集めた金を別の投資事業で生じた損失の穴埋めなどに充てたとみている。
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新型コロナウイルスのPCR検査キット販売事業への出資金名目で現金計約1億1000万円を詐取したなどとして医療関連会社の代表取締役(44)ら6人が警視庁に逮捕された事件で、東京地検は、詐欺罪などでコンサルティング会社役員の入江正和容疑者(51)らを東京地裁に起訴した。一方、医療関連会社の代表取締役については不起訴とした。いずれも2月27日付。地検は不起訴の理由を明らかにしていない。