収録を終えられていかがでしたか?
今回1人で収録をさせていただいたので、あっという間だったなというのが、率直な感想ですね。このシリーズは『ジュラシック・パーク』から含めると6作品あるわけですけども、初めて携わることができたので。今回の収録に挑むにあたり、やはり最初から観ておかなきゃと思い、『ジュラシック・パーク』三部作、『ジュラシック・ワールド』三部作と全部観ました。その準備の時間の方が膨大だったので、特に収録があっという間だったなと感じたのかもしれません。
特に今回やらせていただいた『ジュラシック・ワールド』は劇場でも観た大好きな作品なので、練習というよりも、あらためて作品として観たかった。本当にいろんなシーンがあって。これを自分がやれるんだとドキドキしながら観ていたんですが、実はセリフだけ抜き出してみるとあっという間なんです。
これはアクションものにありがちなことなんですが、後半が特に早い。思ったより喋ってないんですよね。クリス・プラット自身は大変だけど、セリフは後半なくなってしまうんです。特に今回は、息は本人の息をそのまま生かして、というシーンが多かったので。だからもう終わっちゃうんだっていう寂しい気持ちがありました。早く2、3をやりたいなと。そんな話はいただいてないのに、勝手にそう思ってしまいました。
昔から「ジュラシック・ワールド」がお好きだったんですね。
特に最初の1作目が本当に強烈でした。しかもクリス・プラットが主演だと聞いて、これは参加できるかも!いややはりなかったか…という気持ちがあったので今回本当にうれしくて。
とにかく僕はクリス・プラットが大好きなんです。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のプロモーションで一度お会いしたこともあるので、より身近に勝手に感じてしまったということもありますし。俳優としての魅力がすごくある方なので吹き替えするのが楽しいんです。
来年はジュラシック・ワールドの新作もあることですし、2025年はどんな年にしたいですか?
『ジュラシック・ワールド』の新作については、自分には関係ないと思っていたのでまったくノーチェックでした(笑)。2025年は吹き替えをたくさんやれる年にしたいですね。僕はアニメの仕事も好きですけど、外国映画を吹き替えるという仕事が本当に大好きなんです。だからこういうザ・シネマさんのように、新緑版をつくると言ってくださるメディアがあることが本当に嬉しくて。今回は特集までやっていただけるということで、本当に声優冥利に尽きますよね。ただやれたということだけで喜んじゃいけないなと思っていて。これからも、山寺の吹き替えを見たいと思っていただけるように、まだまだ実力を磨いていかなきゃいけないなと思いました。
シリーズ第一弾の『ジュラシック・パーク』が公開されたのが1993年。それから30年以上の時を経て、吹き替えの環境も変わってきたのではないかと思うのですが。
それはすごくありますね。今回、『ジュラシック・パーク』を吹き替えで見返したんですが、富山敬さん、永井一郎さんら尊敬する先輩たちが本当にたくさん出ていて。当時の先輩は、なんであんなに個性的で、味があって、上手くて、今でも印象に残る人が多いんだろうなとあらためて思いました。
今は声優の数がたくさんいて、その中で切磋琢磨しているわけですが、昔は数十人かでまわしていたとか。1日にこういう長い尺のものを何本もやっていたという話も聞きますし。今は下手な人は少ないけど、とんでもなく個性的な人も少ないと言われています。だから本当に不思議だなと思うんですよ。でもおかげさまで僕は、そういう先輩たちともギリギリご一緒にお仕事をさせていただくことができて、その方たちの背中をいつも見ることができたので、いい経験だったなと思いました。
もちろん収録というのは、視聴者に見ていただくためにやっているわけですし、演出はディレクターさんたちがやるわけですから、判断は彼らにしてもらうわけですが、先輩も含めかけ合いをする共演者の目をすごく意識してましたね。驚かしてやろうとか、先輩に「こいついいな」と認めてもらいたいとか。コメディーならみんなを笑わせてやりたいとか。そういうのってものすごくドキドキするし、緊張もするんです。もちろん今もちゃんと緊張してやってますけど(笑)。でもそういう環境は本当に鍛えられたなという感じがします。
そうすると、今の吹き替え業界を盛り上げていかなければという思いも強いのでは?
たくさんの人に日本語吹き替え版が面白い、外国映画が面白いと思ってもらいたい。もちろん邦画もアニメもいいけれども、こういう外国映画を観る人がもっともっと増えてほしいなと思うんです。アニメで人気の声優のイベントなどの盛り上がりを目の当たりにすると洋画の吹き替えももう少し注目が集まったらといいなと思うことはあります。
2月、3月に山寺さんが吹き替えを担当した作品の特集を行う予定となっておりますが、その中でこれはぜひ観てもらいたいなという作品があれば。
それはもう全部ですよ。僕にとっては思い出深い作品ばかりです。でもその中でも『トゥモロー・ウォー』は同じクリス・プラットの吹き替えなのでぜひ観ていただきたいかなと。それと『ベンジャミン・バトン
数奇な人生』は作品として僕が大好きな映画ですが、とても難しい役だったんです。おじいちゃんの姿で生まれて、肉体はだんだん若返るんだけど、経験は逆に重ねていくという役で。これをどう演じたらいいんだと悩みました。ブラッド・ピットはそれを身をもって演じたわけですから大変だったと思いますが、それを声で表現しないといけないわけなので。内容的に決して派手な映画というわけではないですが、自分の中ではものすごく思い出に残っている1本です。
でも全部観ていただきたいですし、かつてやった作品をもう一度放送してもらえるというのは本当にうれしいことですから。
では最後にザ・シネマ新録版をご覧になる視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
『ジュラシック・ワールド』は間違いなく面白い作品です。まだ見ていない方は騙されたと思って冒頭だけでも見てください。クリス・プラットは最初、なかなか出てきませんけど(笑)。すぐにその世界に引き込まれると思います。自分としても素晴らしい作品に参加することができてしあわせに思っています。
とにかくこの新録版を観て、評価していただければありがたいです。もし良いなと思っていただけたら、ザ・シネマさんにも、そして世の中にも遠慮せずにどんどん声を届けてください。2、3の新録版ができるかどうかは皆さんにかかっているので何卒よろしくお願いします。