デビュー前のパフューム、週末は8時間近くレッスン・笑いながら涙を流していた…広島で指導したボイストレーナー 

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2005年 パフュームメジャーデビュー

 「もっと喉を開いて!」。広島市南区にあるタレント養成校「アクターズスクール広島」広島校のスタジオに、歌の発声を指導するボイストレーナー講師、田中都和子さんの声が響く。1999年に設立され、歌手や女優などを目指す小学生ら約90人が歌やダンスなどのレッスンに励んでいるこのスクールで、1期生として汗を流したのがテクノポップユニット「Perfume(パフューム)」の3人だった。

アクターズスクール広島の生徒たちに指導する田中さん(広島市南区で)
アクターズスクール広島の生徒たちに指導する田中さん(広島市南区で)

 いずれも広島県内出身で同学年の西脇綾香さん(あ~ちゃん)、樫野有香さん(かしゆか)、大本彩乃さん(のっち)の3人組。2005年にメジャーデビューし、斬新な振り付けのダンスや最新の映像技術を用いたライブ演出などで人気を集め、国外でも活動を展開する。

 3人は小学5年生だった1999年にスクールに入った。同期は約150人で、ダンスや歌のレベルに合わせてクラス分けが行われた。田中さんが担当した一番下のクラスに、樫野さんがいた。

 「音痴で、ダンスもうまくなかった」と田中さん。だが誰よりも根性があった。厳しい練習に涙を流しながらも休まず通い続け、めきめきと上達していった。

 小学生時代にユニットを結成。西脇さんはいつも笑顔。大本さんは歌唱力のある優等生だった。「性格の異なる子たちだったが、ステージに立つと同じ方向を向いていた」と田中さんは振り返る。

 中学生になった3人に、東京の芸能事務所関係者の前でダンスや歌を披露する機会が訪れた。今のようにSNSを通じて、自ら世界中に活動を発信できる時代ではない。限られたチャンスをつかもうと、猛特訓が始まった。

 週末は朝から夕方まで8時間近くレッスンし、平日の放課後にも3時間ほど自主練習に取り組んだ。スクールが休みの時は公民館を借りて練習した。緊張とハードな日々に3人の感情は不安定になり、笑いながら涙を流していたことも。田中さんは自宅でも個人レッスンを行い、悩みごとの相談にも乗った。「あれだけ生徒に向き合ったのは最初で最後だったかも」

今年デビュー20周年を迎えるパフュームの(左から)かしゆかさん、あ~ちゃんさん、のっちさん。昨年はベストドレッサー賞芸能部門に輝いた(2024年11月27日、東京都渋谷区で)=後藤嘉信撮影
今年デビュー20周年を迎えるパフュームの(左から)かしゆかさん、あ~ちゃんさん、のっちさん。昨年はベストドレッサー賞芸能部門に輝いた(2024年11月27日、東京都渋谷区で)=後藤嘉信撮影

 このステージがどういう結果だったか、田中さんはほとんど覚えていない。ただ、夢をかなえようと懸命に重ねてきた努力が、その後の3人の活躍を支えていることは確信している。

 パフュームに憧れ、スクールの門をたたく子どもは今も数多くいる。広島市内の小学3年生徒(9)もその一人。3歳の時、ライブDVDを見て感動し、スクールに入った。「レッスンは大変だけど、夢に向かって頑張り続けたい」と目を輝かせる。

 田中さんは昨年11月、仕事で広島に戻ってきたパフュームの3人に会った。スタッフらに気を配る姿に「大人になったな」と感じたという。「私にとっては娘のような存在。まだやり遂げていない夢があれば、頑張って成し遂げてくれたらいいな」。温かなまなざしで、そう語った。(柴山倫太朗)

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