腕にケロイド残り「やけどこぼれ」とバカにされたJ1広島の元総監督、新ホーム「Eピース」の熱狂に思い新た

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 サッカー・J1リーグのサンフレッチェ広島は、新本拠地「エディオンピースウイング広島」(Eピース、広島市中区)で迎えた今シーズンを2位で終えた。平和の翼と名付けられた新スタジアムで躍動する選手、熱狂するサポーターを特別な思いで見守ったのが、被爆者で元総監督の今西和男さん(83)だ。「(スタジアムを拠点に)広島全体が平和とスポーツの魅力を感じられる街になっていってほしい」と目を細めた。(新田修)

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平和の大切さやスポーツの魅力を語る今西さん(広島市中区で)
平和の大切さやスポーツの魅力を語る今西さん(広島市中区で)

 4歳の時、現在のJR広島駅近くの自宅で被爆した。「ピカッと光って。それは感じた」。家が吹き飛び、やけどを負った今西さんは大八車に乗せられて親戚宅に避難した。今も左腕などにケロイドが残り、「当時は『やけどこぼれ』とバカにされた。でもサッカーで見返してやろうと思った」と振り返る。

 東京教育大(現・筑波大)を経て東洋工業(サンフレッチェの前身)でDFとしてプレー。現役引退後、1992年に創設されたサンフレッチェでチームの編成・強化に尽力し、育成組織を整えた。森保一・現日本代表監督ら多くの人材を育て、多岐にわたる仕事ぶりでサッカー界の「元祖GM(ゼネラルマネジャー)」と呼ばれる。

 大切にしたのは、「人と人を結びつけること」。幼い頃、友人らと野球の広島カープ(現・広島東洋カープ)を応援に行き、「たとえチームが負けても、みんなで応援し、心のぬくもりを感じながら家に帰った」経験がその原点という。海外の選手やスタッフと交流する機会も多く「知らない者同士でもすぐに親近感を持てるのがスポーツの力」と話す。

 今月、被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」がノルウェー・オスロでノーベル平和賞を受賞した。「長年の活動が世界で認められた。被爆者の一人として非常に喜ばしい」。国内外で広島の注目度が高まり、今季のEピースでのJ1戦(19試合)の入場者数は約48万人に達した。試合に合わせ、スタジアム近くにある平和記念公園(広島市中区)を訪れるサポーターの姿も多く見られた。「戦争で人と争うことはやるべきじゃない。(受賞を機に)同じ思いを共有する人が増えたらうれしい」と期待を込めた。

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