
県厚生連が2027年度末の閉校を発表した佐渡看護専門学校=12月13日、佐渡市千種
JA新潟県厚生連が佐渡看護専門学校(佐渡市千種)について、2025年度生を最後に募集停止し、27年度末での閉校決定を発表した翌日の12月13日、在校生や卒業生らから戸惑いや不安の声が上がった。佐渡看護専門学校は90年近い歴史があり、島内で看護師として働く人材を多く輩出してきた。医療関係者が看護師不足に拍車がかかることを懸念する一方、高校関係者は島内の進学先が減ることを心配している。
「知らなかったし(閉校は)さみしい。看護師を目指す人が佐渡で学べなくなるのは、仕方ないことかもしれないけれどもったいない」。佐渡看護専門学校のキャンパス前。島内出身の在校生(20)はショックを受けた様子で語った。
近年は生徒数の減少が深刻で、18年度以降は定員40人に対し、入学者が30人未満の状態が続いていた。定員充足率の低迷により生徒が国の修学支援制度を受けられなくなるなどの弊害も生じ、学校側は定員を減らして充足率を上げたり、佐渡総合病院と連携を密にして学べる強みをアピールしたりしてきた。
卒業生は島内の医療体制への影響を懸念する。「佐渡看護(専門学校)があったから、看護師になるイメージをしやすかった」。佐渡看護専門学校の卒業生で、島内で訪問看護に携わる女性(46)は声を落とした。
佐渡看護専門学校は例年、卒業生の9割近くが県厚生連の系列病院に就職しており、...
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