画像AIが超進化…“創造”の新たなスキルとは

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「軽い気持ち」で作ったデマ画像が拡散

 一方、利用者が増える中でトラブルも起きています。先月末、静岡県で台風15号の被害が発生する中、街の水没風景の写真が「静岡県の水害、悲惨すぎる」とツイートし、拡散されました。ところが、細部に変な部分があり検証したところ、AIによるデマ画像と判明。「軽い気持ちで作った」と作者が謝罪し、官房長官が注意喚起まで行う事態となりました。

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 (※関連記事: 台風被害デマ画像、投稿者後悔「だまされたら面白いなと軽い気持ちだった」…無料AIで作成

 災害時のデマは混乱の元になるため、論外です。しかし、スマートフォンで手軽に作れる時代が来た以上、AI画像や動画を面白半分、あるいはフェイク情報として流すことが、今後も増えていくかもしれません。

静岡の大雨被害の最中に、街の水没写真がSNSで拡散された。「AIで軽い気持ちで作った」という作者は、後で謝罪した
静岡の大雨被害の最中に、街の水没写真がSNSで拡散された。「AIで軽い気持ちで作った」という作者は、後で謝罪した

訓練されたAIを「猛獣使い」のように操るスキル

 今回のAI画像をめぐる動きは、品質向上もありますが、使い勝手の改善が大きな要因です。指示文を書くだけで、これまで技能や時間を要してきた絵画やイラストが、簡単に手に入る初の事態が起きているのです。既に海外のイラスト投稿サイトには、AI画像の投稿を禁止するところも出ており、社会の不安を先取りしています。

 ただ、スマートフォンもそうですが、一度、手軽になった情報発信の流れは止めようがありません。産業革命時には、失業を恐れた技能者らが機械を壊すラッダイト運動がありましたが、機械化は止められませんでした。デジタル社会でも効果は薄いでしょう。AIと共存する道を探る方が現実的で、既にイラスト作家の中には、AI画像を調整して画集を出したり、創作の参考にしたりする人も出ています。

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