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美馬 オキタさん自殺防止へ講演
命の尊さを訴える講演会「生きテク 死ぬ技術はもういらない、生きるテクニックを大公開したら、自殺者が激減した」が、美馬市脇町の市地域交流センター「ミライズ」で開かれた。講師として徳島市出身でNPO法人「生きテク」代表理事のオキタリュウイチさん(48)が登壇し、死を考えた時の解決策を示した。
県と県自殺予防協会が9月29日に共催。オキタさんは「日本は世界的に見れば豊かな国で社会設備も整っている住みやすい国」とし、年間2万人以上の自殺者がいることに「自殺の方法が世間にあふれており、当事者が簡単に死を選べてしまう」と指摘。「死ぬことへのカタログはあるが、生きることへのカタログがなく、それを示すことが重要だ」と強調した。
その上で、実際に死を考えた人が問題を解決して「生」を選択した具体例を列挙。「本や音楽との出会い」「住む場所を変える」「法律や制度を利用する」など8種類に分類し、「女子プロレスを始めたらいじめがなくなった」「移住すると自治体から400万円の支援があり、借金が返せた」などの事例を紹介した。
自身も脳出血で半身不随となり、死を考えたこともあるというオキタさんは「ネガティブな思いがネガティブなことを引き寄せる。将来のビジョンを持つことで、結果が変わってくることを知ってもらいたい」と話した。具体的な事例は「生きテク」のホームページで見ることができる。
県自殺予防協会によると、協会には年間約1万件の相談が寄せられ、このうち約5%から「死にたい」という言葉が発せられるという。自殺を考える人の要因として▽孤独・孤立感を抱いている▽心の病を患っている▽社会的サポートが乏しい――を挙げている。協会は電話相談窓口「いのちの希望」(088・623・0444)を開設している。