数万人の生命を奪った地震を一大PR活動の好機と見なせるのは、数百万の自国民を殺害し、住む場所を奪った人物くらいであろう。
数年間自らの宮殿に身を隠していたアサド大統領が姿を現し、ラタキヤとアレッポを訪れた。その間、シリア外交担当者たちは、すべての援助物資がダマスカス経由で流通していると主張している。だが我々は、この種の詐欺的行為を何度も目にしてきた。物資は政府派の人々に回され、反政府派住民は餓え、爆撃を受けて服従を強いられる。地震発生後シリアの政権が最初にしたのは、一人の生存者も残さないよう念を入れるかのように、被害を受けたマレア周辺に空爆を行うことだった。アサド氏周辺の当局者は、「テロ組織」にいかなる救援物資も届かないよう阻止すると述べているが、この語はアサド政権が反政府軍の支配地域の住民を指すのに普段から用いているものだ。この犯罪者的政権が救援物資をかすめ取り、転売しているという噂が早くもささやかれている。
シリアとイランの得意先であるレバノン人たちも、ダマスカス詣でをしてはアサド政権の正常化を支持している。レバノンのアブドラ・ベンハビブ外務大臣は、犠牲者との連帯を示すことが必要なまさにその時にダマスカスを訪問するという不名誉な企てを、なぜ行うことができたのだろうか。
ヒズボラ(シリアの領土のかなりの範囲で支配権を持つ)もまた地震を利用し、世界が信念に基づいて血塗られたアサド政権への関与を拒否したことは「偽善」だと糾弾している。「自国民を残忍に扱い、…毒ガスを用い、虐殺し、彼らの苦しみの大半の原因となってきた政府を我々が支援するとすれば、逆効果とまでは言わないにせよ、非常に皮肉なことです」とあるアメリカ国務省報道官は述べた。この時ばかりは、私もアメリカ外交筋の意見に同意である。
救援物資は遅ればせながらシリア北部に、損傷の著しいバブ・アル・ハワ検問所1か所を通って入りつつあるが、ロシアと中国は他の検問所を開くことに反対し続けている。多くのシリア難民が今回の地震の震源となったトルコ南部に逃れたため、今では大型トラック一杯の遺体袋となって故郷シリアに帰る人々の姿が見られる。
大地震によって、シリアは一時的に世界的議題の上位リストに返り咲くとともに、アサド氏の本質的な残忍性があらためて浮き彫りになった。
バリア・アラマディン
アサド氏はシリア政府がイスラエルに支援を要請したというネタニヤフ首相の主張を否定したが、両国とも地震をプロパガンダに利用している。また、アメリカが一時的に制裁を緩和したことに乗じて、イランが武器その他の禁輸品を援助物資用の車列に紛れ込ませるのではないかという懸念もある。
私は先週、複数の中東を専門とする欧州の外交官と話をしたが、彼らはレバノン大統領選とイランの封じ込めに関して、様々なシナリオを描いていた。
彼らによると、ヒズボラは草の根の支持基盤を失いつつあり、幅広くその脅威が知られるようになり、自由愛国運動(FPM)のミシェル・アウン氏やジブラーン・バシール氏とのつながりも希薄になったことでより強い圧力にさらされている。外交官たちは望ましいシナリオとして、ヒズボラが民意に基づいた候補者(いずれにせよヒズボラはその人物に圧力をかけて自分の意のままに操ろうとするだろうが)を認めざるを得なくなり、IMFとの合意に向けてレバノンが一歩を踏み出すという可能性を挙げた。
だが、彼らは新大統領や政府に関する合意が得られず、レバノンが無政府状態に陥るというシナリオも想定しており、核合意の中止という現状を踏まえると、イスラエルのネタニヤフ政権が軍事行動に出てイランの核計画を無力化しようとするのは時間の問題だとも指摘する。イラン政府が要請すれば、ヒズボラはイスラエルとの戦争に参加せざるを得ないかもしれない。その場合、戦火は中東全体に拡大し、非常に破壊的なものになるだろう。
レバノンに住む多くのイスラム教シーア派の人々はいまだにヒズボラを自分たちの名目上の代表者と見なしているものの、彼らはヒズボラが掲げる強硬な反国家的スローガンを支持しているわけではない。人々は貧困とレバノンの状況が日々悪化していくことにうんざりしている。また、2006年の紛争当時に十分すぎるほどの経験をした以上、「シオニストの敵」へのヒズボラの好戦的態度を再度受け入れる余地もないのだ。
レバノンの支配層に属する人々と定期的に関わりを持つ人々は、しばしば次のような感想をもらす。彼ら指導層は一般国民の苦しみには無関心で、そのような話題を避けたがる。その一方で、地域の対立関係について常に気にかけ、シリア難民の強制送還に熱心である。その結果、地震、2020年のベイルート港爆発、IMFとの交渉、大統領選をめぐる停滞といったことでさえ、地位争いにおける交渉のカードとなってしまうのだ。今下されつつある決定、あるいは無期限に延期されている決定が数百万人の生活と中東地域で紛争が再燃するか否かの命運を左右するにもかかわらず。
私が会話した欧州の外交官たちは、イラン政府への敵意の高まりは皮肉にも、地域での犯罪行為より、ロシアへの武器供与によって引き起こされていると指摘した。また、国境地域での警戒態勢の強化によって、とりわけイランにおける彼らの後援者たちが核合意後の制裁緩和から利益を受ける見込みがほとんどない状況下では、ヒズボラとアサド氏の麻薬取引を牛耳ることで儲けようという目論見に邪魔が入っているという。数か月にわたる抗議デモでイランはこれまでになく弱体化しているが、これはイランの同盟者にも当てはまるのである。
ヒズボラの経済的失政により、レバノン国内には「盗むものは残っていない」のであり、そのため利益の匂いを嗅ぎつけたハッサン・ナスラッラー書記長は国境と天然ガス採掘にまつわる儲け話に対して、例にない柔軟さを発揮しているのだ。
アサド氏が完全に権力を取り戻す日は来ないだろう。彼がシリアの国土の一部をかろうじて支配しているのは、ひとえにイランとロシア、ヒズボラとの同盟関係のおかげである。アサド氏がその生命を奪った数百万の人々の家族は、決して彼の所業を忘れない。ウクライナへの新たな攻撃にイラン製ドローンが用いられたことでロシアとイラン両政府への反感が世界中で高まる中、アサド氏はおそらく永久に国際社会から締め出されるだろう。
大地震によって、シリアは一時的に世界的議題の上位リストに返り咲くとともに、アサド氏の本質的な残忍性があらためて浮き彫りになった。アサド氏とレバノン、イランで彼を支援する勢力は死に物狂いでもがくだろうが、どれだけ時間を稼いだところで彼が戦争犯罪者でなくなるわけではない。
地震で被災したシリアの人々は、トルコの悲劇的犠牲者たちに劣らず世界の助けを必要としている。世界が内戦のシリアを見放し、いくつかの機能停止した地域の寄せ集めの状態で放置しているのは、彼らシリア国民の責任ではない。
したがって、シリア国民に対する度重なる責任放棄を償い、今現在助けを必要としている彼らの叫びに力の限り耳を傾けることは、国際社会が担うべき重い責務である。
レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、かねてよりヒズボラとシリアの友人であると考えられてきたため、先週、同首相が「レバノン問題への露骨な干渉」としてイランを珍しく非難したとき、人々は驚きを隠せなかった。イランのモハマド・バケル・ガリバフ国会議長は、レバノン南部における国連決議1701号の履行について、テヘランは欧米諸国と「交渉する」用意があると宣言した。あたかもレバノンが単なる交渉のカードであるかのように。
イスラエルがミサイルをテヘランに向けているという状況下で、マスード・ペゼシュキアン大統領の穏健派政権下にあっても、アヤトラたちが地域の情勢を操る能力についてこれほどまでに厚かましく振る舞っているのは驚くべきことである。一方で、露骨なイランの干渉を抑制するための行動を起こさないレバノン政府の臆病さには落胆させられる。個人的野心がむき出しになっている結果、キリスト教指導者たちは前向きな方向へと事態を導くために団結することができず、スンニ派にはまったく指導者がいない状態が続いている。国家の救済は、大統領の座を狙う野望の二の次になっている。
レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表が最近、事態の進展を話し合う会合を主催し、さまざまなコミュニティの代表者が出席したが、スレイマン・フランジェ、サミー・ゲマエル、ゲブラン・バシルといったキリスト教指導者たちは距離を置いた。主要な当事者同士が話し合いさえしていないのに、どうやって政治的なロードマップを策定できるというのか?
イスラエルによるヒズボラ指導者の暗殺のほとんどの現場にイランの司令官が姿を見せていることから、ヒズボラの最高幹部がすべて失われた今、ヒズボラの名のもとにこの戦いを指揮しているのはイスラム革命防衛隊であるという結論に人々は達している。
レバノン南部におけるイスラエルの損失はすでにかなり大きいようだが、我々は、10人の兵士が殺されるごとに100の村を破壊する気満々の敵について話しているのだ。レバノン人の死者はすでに2,400人を超え、負傷者も数万人に上っている。大幅に弱体化したヒズボラは、武器の備蓄が補充されない可能性があることを知っているため、攻撃の手を緩めているように見える。両者の戦力がこれほどまでに不均衡である場合、ヒズボラのピンポイント攻撃はレバノン自体に無限に大きな苦痛をもたらすだけである。アサド政権とプーチン政権は最近、ヒズボラと準軍事組織にシリア国内の空港やその他の重要な施設から撤退するよう要求した。これらの組織が同盟国からも歓迎されない存在となっているのであれば、イランへの忠誠心が本当に彼らに何をもたらすのかを熟考すべきである。
紛争が長引くにつれ、考えられる結果はただ一つ、レバノンの完全な破壊だけである。ハッサン・ナスララはそれを知っており、イランもまたそれを明確に理解している。レバノンはイラン内部のイデオロギー闘争の真っ只中にあり、アラブ諸国を永遠に支配しようとする強硬派の将軍たちと、制裁緩和、核譲歩、あるいはイスラエルがテヘランを攻撃しないという保証を得るためにレバノンを安価な交渉材料として利用しようとする政治家たちとの間で板挟みになっている。これはレバノンの戦いではないし、勝利などありえない。ヒズボラが抵抗を貫き、敵に損害を与えるという主張を続けるのは、草の根の支持者が減っている現状では、彼らを安心させるためのナンセンスな話である。
米国の特使アモス・ホッホシュタイン氏が、決議1701の「追加」と「修正」について語っていることから、おそらくヒズボラの武装解除と、おそらくはレバノン南部におけるイスラエルの恒久的な駐留、あるいは国連平和維持軍に対するより強力な権限付与を求める圧力が再び強まるだろう。レバノンは、どのような基準から見ても、この紛争で敗者となる。米国とイスラエルは、レバノンの主権を犠牲にして、望む条件を自由に課すことができるだろう。
イスラエルの攻撃はレバノンのほぼ全域に広がり、人口の約4分の1がすでに避難を余儀なくされている。避難民のほとんどが伝統的にヒズボラを支持してきた地域出身者であるため、社会的な緊張が高まっており、シーア派以外の地区からの避難民を排除すべきだという声も上がっている。イスラエルは、キリスト教徒が多数を占める村を意図的に攻撃し、宗派間の緊張を煽り、自分たちが標的になることを恐れて避難民を受け入れることを住民に思いとどまらせようとしているようだ。キリスト教徒の多いジュネー地区でイスラエルがヒズボラの工作員に対して無人機による攻撃を行ったことは、どこにも安全な場所はないという厳しいメッセージを送った。
宗派間の緊張を煽り、レバノン人を互いに敵対させ、国内を分割するようなイスラエルの手先の行為には警戒すべきである。それは、内戦時代の考え方に逆戻りさせ、あるいは内戦を引き起こすことにもなりかねない。こうしたことは、すでに世界で最も高い割合で難民を抱えるこの国の国民精神に反するものである。2019年の宗派間対立抗議運動では、多くの若者が政治的な目覚めを経験した。こうした姿勢により、避難民を支援するために、避難所やコミュニティの炊き出し所、病院にスンニ派、キリスト教徒、ドゥルーズ派の若者が大勢ボランティアとして参加した。
レバノンはあまりにも小さく、分裂してはならない。大統領も実質的な政府もない状態はあまりにも不安定である。しかし、この進行中の大惨事は、すべての市民の利益のために機能し、効果的で対応力のある政府を優先する非宗派的なシステムの中で、レバノン政治を再考する前例のない機会を提供している。
レバノンのすべての地区が攻撃の対象となっている今、キリスト教徒やその他の指導者たちは、メディアにむなしい声明を発表するなどして、ただ手をこまねいているべきではない。すべての勢力は、個人的な野望や派閥の思惑を捨て、国家の救済のために団結しなければならない。
これはレバノンの戦いではないが、レバノンの指導者たちが団結して、勝ち目のない報復的な紛争で国の完全な崩壊を食い止めることはできないというわけではない。
レバノンは救うことができるが、過去に何度も自国を傷つけ、見捨て、無視してきた指導者たちがこの難局に立ち上がり、この美しいが傷ついた国を再びひとつにまとめなければ、それは不可能だ。
アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、電話を使うことを恐れて紙切れを使って部下と連絡を取り合いながら、安全な家から次の家へと密かに移動している。そして、イランをこのような悲惨な状況に追い込んだのは、自らの行動のせいではないかと自問しているかもしれない。
イランの最高指導者の無能なスパイ部長イスマエル・カーニー氏が姿を消したことで、イスラエルに殺されたのではないか、あるいはテヘランで安全保障違反の責任を問われて尋問を受けているのではないかという憶測が飛び交っている。
イランは、政権維持という崇高な大義のために、イエメンのフーシ派、イラクのハシュド・アル・シャアビ、レバノンのヒズボラといった、国境を越えた準軍事組織を地域に溢れさせた。しかし、このような好戦的な姿勢によって、アヤトラたちは自らの頭上に大きな的を掲げることしかできなかった。
「抵抗の軸」は、イスラエルを攻撃することが主たる目的であったことは一度もない。それはレバノン、イラク、シリア、イエメン、その他の国々における政府当局を転覆させ、これらの国々を、アラブ諸国や欧米諸国を含む体制の敵全体に対する代理戦線国家へと変貌させる口実であった。イランは、これらの破綻国家をトランプのカードのように皮肉にも操り、緊張を高めたり和らげたりすることで、自らの優越性を証明しようとしている。
ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師と最高指導者たちは、自分たちの暴言の犠牲者となった。「アメリカに死を」「イスラエルに死を」という意味不明な主張を長年繰り返してきたが、実際には、本格的な地域紛争に巻き込まれないよう、この1年は逃げ惑い、ごまかし続けてきた。
しかし、このような好戦的な態度によって、最高指導者たちは自分たちの頭上に大きな的を掲げることしかできなかった。
バリア・アラマディン
テヘランとヒズボラの度重なる失策により、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はついに、イラン政権を直接標的にする口実を手に入れた。ホワイトハウスのバイデン政権がリスクを嫌い、選挙に焦点を当てているからこそ、イスラエルがイランの核、石油、軍事、経済、民間施設に対する大規模な空爆に踏み切ることにためらいが生じているのだ。ハメネイ師は、トランプ大統領が大統領選で勝利する可能性について、眠れない夜を過ごしているに違いない。
イランは、イスラエルの攻撃を回避するための最後の手段として、リヤド、ドーハ、カイロ、バグダッド、ダマスカスなどへ外交官を派遣したが、体制はこれまで以上に孤立しているように見える。北朝鮮やロシアといった機能不全に陥り、疑問の残る同盟国は、武器や支援の約束を履行しないことが常である。特に、人口の15%がロシア語を話すイスラエルと歴史的なつながりを持つモスクワを考えると、その傾向は顕著である。
体制にとって最も現実的な脅威は、内側から、つまり、抑圧的な指導者たちを自分たちの悲惨な境遇の責任者とみなす貧困にあえぎ、不満を抱える民衆から生じる可能性が高い。そのため、最高指導者たちは弱々しく、無防備に見えるわけにはいかないのだ。
ヒズボラの幹部処刑は、イラクを含む多くの国々で緊張を高めている。「抵抗勢力」に対する目立った屈辱は、イスラエルがバグダッドに武力行使を行うのは時間の問題であるという認識のもと、イランが支援する民兵組織ハシュド・アル・シャアビの解散を求める声を高めている。レバノンでも同様で、大幅に弱体化したヒズボラは、それでもなお、特にイスラエルが非国家勢力の武装解除を求める2004年の国連安全保障理事会決議の実施を煽っていることから、慣れ親しんだ政治的威信を失わないために全力で抵抗するだろう。
ベテラン司令官のほとんどを失ったテヘラン政権は、カイス・アル・カザリ氏やアクラム・アル・カービ氏といった生き残ったイラク人軍閥を後押ししているようだが、革命防衛隊は、このような気まぐれな誇大妄想家や経験のない無名な人物の手に、準軍事組織の瀬戸際外交の将来が委ねられていることに不安を感じているに違いない。イラクの準軍事組織はヒズボラよりも数が多いかもしれないが、彼らはとっくに犯罪マフィアと化しており、互いに小競り合いをしたり、無防備な市民を襲う以外にはほとんど軍事能力を持たない。
このような状況である必要はない。何千年もの間、イランと文化や歴史を共有してきたイスラム教徒のアラブ諸国は、イランの天敵ではない。彼らはみな、パレスチナ人の大義の正義を擁護するという点では同じ立場にあるはずだ。それゆえ、イランが攻撃された場合、湾岸諸国が標的になる可能性があるという脅し文句を口にするのではなく、イランは外交的アプローチに向けた以前の消極的で暫定的な措置を再開するべきである。
イランと何千年もの文化と歴史を共有してきたイスラム教徒のアラブ諸国は、イランにとっての天敵ではない。
バリア・アラマディン
そのためには、代理軍の動員解除、核優位性の主張の放棄、アラブ諸国への麻薬の流入を止める努力など、アラブ諸国に突きつけている銃を取り除く必要がある。湾岸諸国は、バーレーンに対する根拠のない領土主張、アラブ首長国連邦(UAE)の島々の占領、反乱やクーデター未遂への支援など、数十年にわたって脅威と敵対的な雰囲気を乗り越えてきた。
こうした自滅的な策動のすべてを通じて、イランは自国を傷つけ孤立させるだけだった。核開発計画とテロ支援により、この最大の石油生産国は制裁によって疲弊し、一方で数十億ドルがアラブの準軍事組織に流用され、イスラエルが喜々としてその手足を切り落としている。レバノン全土で破壊されている武器庫は、一般イラン国民の負担によって賄われている。イラン国民は、このような途方もない浪費がイスラエルの怒りを買っていると非難するために、ソーシャルメディアに殺到している。
この好戦的な政権は、自滅の瀬戸際にまで自らを追い込んでしまったが、それでもまだ、自国民の生活向上を優先し、近隣諸国と平和的に共存しながら繁栄していくことを目指す、普通の国家になるという公約を表明することで、自らの命運を救うことができる。
逆説的ではあるが、強固で結束したイスラム世界がパレスチナ人の正義と国家の樹立を支援する統一戦線を張ることで、イスラエルの極右のマキシマリスト的野望に最大の脅威をもたらすことになるだろう。これにより、レバノン、イエメン、シリア、イラクといった国々が崩壊の瀬戸際から後退し、アラブの仲間入りをすることが可能になる。また、それにより、再建と経済復興に向けたあらゆる支援がもたらされることになる。
イランにとって、過去45年間が自滅的な無駄骨だったと認めることは敗北の承認ではない。むしろ、この大惨事から無傷で脱出できる唯一の展望となる可能性がある。
イランの崩壊を望む者は誰もいない。とりわけ、体制そのものがそれを望むはずがない。この遅すぎた運命の瞬間に、最高指導者たちが何らかの生存本能を発揮することを期待しよう。
• バリア・アラマディン氏は中東および英国で受賞歴のあるジャーナリストおよび放送ジャーナリストである。彼女はメディアサービスシンジケートの編集者であり、多数の国家元首にインタビューを行っている。