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【ロンドン=蒔田一彦】英国のチャールズ国王(75)は25日、太平洋
チャールズ国王は皇太子時代に女王の代理で首脳会議に出席したことがあるが、英連邦の首長としての出席は初めて。国王は25日の式典で「我々のつながりは、かつてないほど貴重だ。力を合わせることで我々はより賢く強くなり、時代の要請に応えられる」と演説し、気候変動問題などに取り組む必要性を強調した。
1949年に8か国だった加盟国は56か国に拡大し、総人口は25億人と世界の約3割を占める。インドやアフリカ諸国など経済成長が続く国も多い。英連邦は首脳会議に合わせ、加盟国間の投資や貿易を促進する行動計画をまとめる予定だ。英国のスターマー首相は「英連邦の国内総生産(GDP)の合計は今後3年間で19兆5000億ドル(約3000兆円)を超える見通しだ。我々はこの経済力を無駄にするわけにはいかない」と期待を示した。
英国では欧州連合(EU)離脱後、経済面で英連邦との関係強化を目指す動きが強まった。ただ、国際機関としての英連邦の役割は限られ、加盟国の国力や立場には大きな差があることから、結束した行動を取るのは難しい。加盟国の間では、植民統治や奴隷制に対する謝罪と賠償を英国に求めたり、君主制から共和制への移行を目指したりする動きが後を絶たない。今回の首脳会議でもカリブ海諸国が賠償問題を議題にするよう求めた。
チャールズ国王は25日の演説で「我々の過去の最も痛ましい側面」と表現して歴史問題に言及し、「誰もが過去を変えられないが、教訓を学ぶことは約束できる」と述べた。しかし、国王がサモアに先立ち訪れたオーストラリアでは、演説直後に先住民族の国会議員が「英国はジェノサイド(集団殺害)を行った。我々の土地を返せ」と叫ぶ一幕もあった。
英連邦の結束のため、英君主が果たす役割は大きいが、がんを患う国王が即位後に訪問した加盟国は昨年のケニアと合わせて3か国にとどまる。体調を考慮しつつ、加盟国訪問を本格化させていくとみられる。
◆英連邦 =英国や英国の旧植民地を中心に56か国で構成する緩やかな連合体。英国のチャールズ国王が象徴的な役割を担う「首長」を務め、首脳会議が2年ごとに開かれる。事務局はロンドンに置かれ、事務局長は加盟国が選出する。近年はアフリカのルワンダやガボンなど旧植民地以外の国が加盟する例もある。
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