JA県厚生連の本部が入るビル=新潟市中央区

 新潟県内で11病院を運営し経営危機が問題になっているJA県厚生連(新潟市中央区)は、2025年4月に運転資金が不足する可能性があることが10月25日、分かった。県厚生連は職員の賞与を大幅に削減する方針を固めたが、それでも約3億円足りないとしている。閉院など最悪の事態を防ぐため、県や病院の立地自治体に引き続き財政支援を求めていく。

 賞与削減は医師や看護師の離職につながりかねないが、当面の資金繰りのために踏み切る方針で、職員には9月下旬に報告した。今後、労働組合と本格的な交渉に入る。

 賞与削減は、12月と2025年4月支給分で実施する計画で、全職員約5800人が対象。管理職は無支給とし、2回分で医師は1・6カ月を0・5カ月に、看護師など一般職は1・6カ月を1・0カ月とする。削減総額は約10億4千万円になる。

 24年度当初から順次取り組んでいる診療報酬加算の向上や医療機器の購入見合わせなどの取り組みと今回の賞与削減により、約20億5千万円の収支改善が図られる。24年度決算の赤字はことし7月時点の予測より10億〜30億円縮小するが、それでも53億4千万円の見込みで、過去最大の赤字に変わりはない=図参照=。収支悪化が続く要因は、...

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