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東京・埼玉で相次いだ「闇バイト」に応募した実行役らによる強盗事件で、今年8月以降、千葉県や神奈川県でも同様の事件が起きていたことがわかった。一連の強盗事件は4都県で7件に上っており、警察庁は8日、各警察本部の捜査幹部を集めた会議を開催。警視庁と3県警などは指示役の特定に向けて本格的な広域捜査に乗り出した。
いずれも「トクリュウ」関与か
「被害者に重傷を負わせる悪質極まりない事件も発生し、国民の体感治安に大きく影響を及ぼしている」。警察庁の谷滋行・刑事局長は会議の冒頭、強い危機感を口にした。
東京・埼玉では9月以降、住宅を狙った強盗事件が4件発生。いずれも秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で指示が出されており、東京都国分寺市と埼玉県所沢市の事件では、実行役が重なるとみられている。
警察は「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が関与し、「闇バイト」でメンバーを集めて実行したとみて捜査。近県の発生状況を確認した結果、8月29日~9月3日に千葉県八千代市、神奈川県厚木市、鎌倉市の質店などでも強盗事件があり、関連がある疑いが強まった。8月以降に4都県で起きた一連の強盗事件は少なくとも7件となり、6事件で実行役ら19人が逮捕されたが、いずれも指示役は特定されていない。この日の会議では、手口や捜査方針が共有された。
「逃げたら殺す」
一連の指示役は実行役を恐怖で支配するのが特徴だ。
埼玉県警によると、9月18日にさいたま市西区で起きた強盗事件で逮捕された実行役4人は、SNS上で「人を運ぶ」「ホワイト案件」などの求人に応募。指示役に顔写真や運転免許証を送っていた。
指示役はその後態度を一変させ、個人情報を盾に危害を加えるとほのめかし強盗への加担を求めていた。所沢市で今月1日に起きた事件も同じ構図で、逮捕された実行役は「逃げたら殺すと言われて抜け出せなかった」と供述したという。
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