世界に2頭のキタシロサイ、日独研究チームが人工繁殖計画…近縁種サイを代理母に2年後出産目標

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 世界に2頭しかいないキタシロサイを絶滅の危機から救える可能性が出てきた。日独などの国際研究チームが、近縁種のサイの受精卵を代理母の子宮に移して妊娠させることに成功。キタシロサイの受精卵を作製し、近縁種のサイの代理母に出産してもらう人工繁殖計画を進める。チームは、2年後を目標に最初の赤ちゃんを誕生させたいとしている。

世界に2頭のみ残るキタシロサイの母子((c)Jan Zwilling/BioRescue.org)
世界に2頭のみ残るキタシロサイの母子((c)Jan Zwilling/BioRescue.org)

 アフリカに生息するキタシロサイは密猟などで激減し、2000年代に野生では絶滅した。現在はケニアの自然保護区に母子のメス2頭のみが生き残っている。

 しかしいずれも高齢や病気のため、妊娠や出産は難しいことから、ドイツの研究所や大阪大などのチームは、比較的生息数が多く、世界各地の動物園でも飼育されている近縁種のミナミシロサイに注目した。

 チームは23年秋、ミナミシロサイのペアから体外受精で作った受精卵を代理母の子宮に移し、妊娠させることに世界で初めて成功した。代理母は感染症のために死んだが、胎児は妊娠70日まで育っていた。

 キタシロサイの精子は凍結保存されており、チームは、ケニアに残るメスから採取した卵子と受精させた上で、ミナミシロサイの代理母に出産してもらう計画だ。

 チームの林克彦・阪大教授(生殖遺伝学)らは、母子以外のキタシロサイから採取していた皮膚からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製し、卵子のもとになる細胞に変化させることに成功。母子とは別の遺伝情報を持つ卵子を作る計画も進めており、「絶滅を回避するには、遺伝的多様性を確保することも大切だ。代理母に受精卵を移す技術ができた意義は大きい」としている。

  山県一夫・近畿大教授(発生工学)の話 「大型動物の体外受精による妊娠は特に難しく、サイで成功したのは画期的だ。絶滅の回避も夢ではないと思える成果で、一日も早く赤ちゃんが誕生することを期待したい」

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