琉球大教授、非常勤講師ポストへの推薦依頼され300万円寄付受領か…「仲介ビジネス」の可能性とみて大学調査

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 国立琉球大学(沖縄県)の教授が昨年から今年にかけ、東京都内の会社役員から少なくとも3人について非常勤講師職の学内推薦を依頼され、自身の研究支援名目で300万円の寄付を受けていた疑いのあることがわかった。同大では、学内推薦の見返りの寄付だった可能性があるとみて、教授から事情を聞くなど調査を実施し、警察当局にも相談している。教授は同大に辞職を申し出たとみられる。

 非常勤講師は、公募や学内推薦で選ばれた候補者を教授会などで審査し、学長らが採用を決める。国立大教授は国立大学法人法でみなし公務員と規定され、推薦が職務にあたり、見返りに寄付を受けたと判断されれば、教授が実際に推薦していなくても、刑法の贈収賄罪に抵触する恐れもある。

琉球大学
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 関係者などによると、同大国際地域創造学部の50歳代教授は自身の研究室が開く公開講座を巡り、昨秋以降、都内のコンサルティング会社役員から少なくとも3人のゲスト講演者を紹介された。役員は、教授の研究支援名目で大学に300万円を寄付していた。

 3人は、関東地方の社団法人代表の女性と九州地方で会社を経営する男性2人。

 女性は昨年10月頃、役員から「数百万円を支払って公開講座を開き、教授会の審査に通れば、非常勤講師になれる」と持ちかけられ、「広告コンサル料」などの名目で役員に約340万円を支払った。役員は今年1月に150万円を寄付。教授は同3月の講座直後、女性に「○○(役員の実名)仲介で講師発令の手続きに入る」とSNSで伝えた。

 九州地方の男性2人はそれぞれ役員に少なくとも数百万円を支払っていた。うち1人は役員が昨年10~11月に計150万円を寄付した後の同11月に講座を共催し、教授の推薦で講師になった。もう1人の男性の講座は女性と同時期に開かれたが、この男性と女性はいずれも推薦されていない。

 同大は、役員が寄付を行う一方で候補者の推薦を教授に働きかける「仲介ビジネス」の可能性があるとみて今春から調査を始め、教授に経緯を確認。教授は関与を否定したが、同大では客観的な証拠や証言をもとに調査を継続する。

 教授は取材に対し、役員からゲスト講演者を複数紹介されたことを認め、役員の寄付についても把握していたと説明。その上で「個人的に使った事実はなく、非常勤講師職を保証したことは一切ない」と話した。

 同大は、一連の経緯を文部科学省に報告。取材に「事実であれば大変遺憾。引き続き調査を進める」とコメントした。

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