警視庁公安部に「単独テロ犯」専門課設置へ…来春に組織改編、相次ぐ要人襲撃に対応

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岸田首相の演説会場に爆発物を投げ込んだ容疑者が取り押さえられ、騒然とする現場(2023年4月撮影、和歌山市で)
岸田首相の演説会場に爆発物を投げ込んだ容疑者が取り押さえられ、騒然とする現場(2023年4月撮影、和歌山市で)

 警視庁は来年4月、公安部に「ローン・オフェンダー(単独の攻撃者)」を専門に捜査する部署を全国で初めて設置する方針を固めた。安倍晋三・元首相が銃撃されて死亡した事件や岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件など、組織に属さず人知れず過激化するローン・オフェンダー型の事件が相次いだためで、テロ事件の未然防止に向けて捜査態勢を強化する。

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 ローン・オフェンダーは準備から実行まで一人で行うため、事件の予兆をつかみにくいとされる。公安部では公安総務課が情報収集などを担ってきたが、情勢の変化に伴い体制の拡充が必要と判断した。

 新組織は「公安3課」とし、刑事や生活安全、地域などの各部が職務質問や巡回で得た「前兆情報」を集約するなど、捜査の司令塔を担う。SNSへの不審な投稿を警戒し、全国の警察とも情報共有を進める。

 安倍元首相と岸田首相の襲撃に使われた手製銃や爆発物は、容疑者が自作したとみられ、新組織では薬品の販売業者に対して購入者の身元確認の徹底を求める「水際対策」も担う。

 これに伴い、公安部を組織改編し、いずれも過激派のテロやゲリラ事件を担当する「公安1課」と「公安2課」を統合し、右翼団体を対象とする「公安3課」を「公安2課」に改称する。新公安3課の人員は数十人規模を想定している。

 警視庁幹部は「各部門と連携して情報収集を一層強化し、新たな脅威に対処していく」としている。

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