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中国で日本人男児が命を奪われたというのに、事実関係の解明を拒むばかりか、日本に対応を指図するとは何ごとか。非常識にもほどがある。
中国外交トップの王毅外相が、米ニューヨークで上川外相と会談し、中国広東省深センで日本人学校に通う男児が中国人の男に刺殺された事件について、「偶発的な個別事案だ」と述べた。
日本人が狙われたわけではないと言いたいようだが、だから重大視すべきでないと言わんばかりの発言は到底容認できない。
そればかりか、王氏は「日本側は事件を冷静かつ理性的に扱い、政治化や拡大化を避けるべきだ」と述べた。被害を受けた国の代表に対し、加害者側の代表が冷静な対応を要求するなど、筋違いもはなはだしい。
日本のメディアは、多くの中国人が深センの日本人学校に献花に訪れ、男児の死を悼む様子を伝えている。一方、中国では、事件後もSNS上などに根拠のない反日的な投稿が相次いでいる。上川氏が対処を求めたのは当然だ。
中国では6月にも日本人母子らが中国人に切りつけられる事件が起きた。このままでは同様の事件が再び起きる懸念は拭えない。
中国が説明責任を果たそうとせず、日本に責任を転嫁するかのような姿勢は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を巡る問題でもみられる。
日中両政府は、中国が日本産水産物の輸入を段階的に再開することで合意している。上川氏は早期再開を求めたが、王氏は時期に触れず、「日本は中国などによる試料採取を認めた以上、約束を守るべきだ」と逆に注文をつけた。
中国政府は処理水を「核汚染水」と呼び続けている。中国で邦人が拘束される事件が相次いでいることもあり、日本の中国への印象は大きく損なわれている。
中国が情報を開示することこそが、不信感を
にもかかわらず、中国軍が日本周辺などで活動を活発化させ、信頼醸成とは正反対の動きを強めているのは看過できない。
8月には長崎県沖で中国軍機が初めて領空を侵犯した。この問題についても説明を拒んでいるのに加え、25日には、模擬弾頭を搭載した大陸間弾道弾(ICBM)を太平洋の公海に着弾させた。
中国の威圧的な振る舞いは、日本のみならず、国際社会における中国の評価を自ら著しく傷つけていることに気づくべきだ。