「体験格差」解消 可能性育む 

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「親同士が悩みを共有できる場所にもしたい」と話す(左から)小島さん、西村さん、国定さん(上京区で)
「親同士が悩みを共有できる場所にもしたい」と話す(左から)小島さん、西村さん、国定さん(上京区で)

上京・堀川商店街の施設

楽器や読書、勉強・・・子どもら思い思いに

 子どもが文化芸術や野外体験などに触れる機会の多寡は、家庭の経済事情や住んでいる場所によってそれぞれ異なる。その「体験格差」を解消する取り組みが、上京区の堀川商店街の一角で行われている。生まれ育つ環境に左右されることなく、子どもの将来の選択肢を広げることが狙いだ。(相間美菜子)

 月謝の高い習い事には通わせてもらえない。図書館が家の近くにないから、本を自由に読めない。不登校だと学びの場さえない――。

 そんな子どもたちに様々な体験を提供するのが、上京区の堀川商店街にある自習室風の施設「knocks! horikawa」だ。7日には小学生が集まり、三味線やウクレレ、ピアノを夢中で鳴らしていた。

 楽器に興奮した子どもを保護者がなだめていると、施設の小島寛大さん(44)が「基本何でもOKな場所なので大丈夫ですよ」と笑いかけた。中京区の小学1年男児(7)は「学校になくて初めて触る楽器もあって面白かった」と満足げだった。

 施設は小島さんのほか、国定若菜さん(38)、西村奈美さん(46)らが2023年10月にオープンさせた。

 子育て真っ最中の3人は、実体験や他の親と関わる中で、「さまざまな障壁で体験格差が生じている」と感じてきたという。「子ども時代に経験したことが、その後の人生を大きく変える。環境による選択の不自由をなくせないか」。商店街のイベントで知り合い、意気投合したことがオープンにつながった。

 日時によって、3人がそれぞれ違う体験の場を開催している。平日夕方からは、元教員の西村さんが学びの場を開き、子どもたちはやりたい勉強やボードゲームをして思い思いに過ごす。火・木・土曜の昼は、ソーシャルワーカーの国定さんが、地域の住民が並べたシェア型図書館で本を貸し出す。休日はアートマネジャーの小島さんが楽器を体験できるイベントを行う。体験には、有料のものも無料のものもある。

 3人は「学校が地区ごとにあるように、各地域に一つずつ同じような施設が増えるようなモデルになっていければ」と話す。

 施設は夏休み中の地域の子どもの受け皿となるため、今月23日~8月22日の平日に開放し、子ども向けの体験学習を行う予定だ。3人は「友達の家にふらっと遊びに行く感覚で、気軽に来てほしい」と話している。問い合わせは同施設(knocks.horikawa@gmail.com)へ。

困窮世帯の6割 夏休みが負担に

 体験格差が広がりやすいのが、夏休みなど長期の休暇期間だ。

 物価が高騰する中、子どもの夏休み期間は生活費や食費などが増加し、家庭の負担が大きくなるとされる。

 認定NPO法人「キッズドア」(東京)が今年5~6月に行った調査では、小中学生のいる困窮世帯の6割が子どもの夏休みは「なくて良い」「今より短い方が良い」と考えていた。「夏休みに特別な体験をさせる余裕がない」「子どもが家にいると生活費がかかる」などが理由に挙げられた。

 公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」(東京)が2022年に小学生の保護者を対象にした調査では、世帯年収300万円未満の家庭の子どもは29・9%が「直近1年間で校外体験なし」だった。世帯年収600万円以上の2・6倍だった。

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