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偽造免許証は不正契約可能にする「犯罪インフラ」…「本人確認」突破で「あらゆる犯罪に悪用される」

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公的な身分証

 運転免許証は公的な身分証として広く使われており、偽造免許証は犯罪インフラとなっている。

 警視庁は今年2~3月、免許証を偽造したとして、長崎県長与町の無職の男(31)と妻(31)の両被告を有印公文書偽造容疑で逮捕した。東京地裁での公判などによると、両被告はツイッター(現X)で知り合った人物から提供された画像データを印刷して切り取り、プラスチックカードに貼り付けるなどして偽造し、指定された宛先に郵送していた。21年夏頃から約210人分を偽造し、報酬約370万円を得た。

 この免許証で開設された銀行口座などは詐欺や不正送金事件で計約4億5000万円の振込先になっていた。検察側は公判で「犯罪インフラとして悪用され、結果は重大」と指摘した。

 福岡県警が摘発したグループの偽造免許証は携帯電話の契約に必要なSIMカードの作成にも悪用され、契約した口座の一部は他の犯罪組織が還付金詐欺の振込先として使っていた。捜査関係者は「偽造免許証で本人確認を突破されるとあらゆる犯罪に悪用される。業界側は危機感を持つ必要がある」と話す。

国が対策アプリ

 国も対策に乗り出した。今年6月の犯罪対策閣僚会議で、オンラインでの本人確認ではマイナンバーカードの電子証明書を読み取り、照会機関に確認する「公的個人認証」に原則一本化する方針を固めた。デジタル庁は公的個人認証に利用できる「デジタル認証アプリ」を開発し、6月から無償提供を始めた。官公庁だけでなく、民間企業によるオンラインサービスでの活用も見込んでいる。

 立命館大の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は「精巧に作られた偽造免許証を目視で見抜くのは難しい。公的個人認証は犯罪抑止に有効で、国は浸透させるべきだ」と指摘する。

◆犯罪インフラ =警察庁によると、犯罪を助長、容易にする道具や基盤を指し、合法な制度やサービスを含む。他人名義の携帯電話や銀行口座などの「ツール型」、不法滞在者の雇用など「生活基盤型」、偽造した身分証明書など「偽装型」がある。同庁はあらゆる犯罪の分野で構築され、治安への重大な脅威になっているとして、関係機関と連携して対策を進めている。

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