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3年の任期の折り返し地点を今月迎えたNHKの稲葉延雄会長が24日の定例記者会見で、番組制作費の適正化など任期後半に向けての抱負を語った。ただ、先月公表された決算で明らかになった契約総数の減少や受信料の未収(不払い)件数の増加傾向を踏まえての営業施策については、「受信料の支払いに納得いただけるよう働きかけることを諦めない」と述べるにとどまった。受信料値下げの影響で1000億円の支出削減が求められるNHK。財源である受信料の公平負担徹底と確実な収納は可能なのだろうか。(文化部 旗本浩二)
稲葉会長、任期折り返し「大いに達成感を感じている」
稲葉会長は昨年1月に就任。元日本銀行理事で、アサヒビール元会長の福地茂雄氏(2008~11年)以来続く外部出身のトップだ。会見では、昨年秋の受信料1割値下げの影響で財政が
その上で「メディア業界全体を
「(会長発言は)人件費を下げるとか制作費を下げるとかいうのでなく、むしろ逆で、日本のコンテンツ力向上のために制作力をもっときちんと評価できないかという趣旨。たとえ優れた番組を作っている人材がいても、(従来の商慣習では)正当に評価されないこともあるのではないか。そうした人材や制作会社を評価することで、日本のコンテンツ力を強化していくという考え方」。志のあるクリエイターにとっては、願ったりかなったりだろう。
2点目は、喫緊の課題である生成AI(人工知能)などを使ったフェイク映像対策。稲葉会長は「デジタルコンテンツの信頼性向上をはかり、ネット空間での情報の健全性を高める取り組みに積極的に参加していく」とした。最後に「日本人の視座を世界に発信することを通じて国際社会に新たな視点や解釈を供給して、国際世論の健全な形成に貢献していく」と指摘。それらを推進する前提として「公共放送NHKとしてどうあるべきか、どうあらねばならないかという本質的な視点を常に忘れないようにしていきたい」と述べた。
「営業改革の効果がまだ出ていない」
昨年10月からの受信料1割値下げを受け、NHKは今年度から3か年は赤字予算を組み、27年度に事業支出5770億円で収支均衡させる方針だ。23年度予算と比べると事業支出は1000億円の削減となり、受信料収入が改善しない限り、その後も同程度の財政規模で運営せざるを得ないとみられる。
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