
キルキルげんみ

SSのような何か
キルキル自陣2周忌なのでね、恥を覚えたら消える
生きていくうえで当たり前にあるもの、でもいつかこの手からこぼれ落ちる未来があるもの。人は、その当たり前を享受したうえで、その未来からは目を背ける。それが当たり前に存在すると同時に、可能性はずっと傍にあったのに。
その可能性を考えもしなかったのは、きっと君が傍にいることが当たり前だったから。ずっと一緒にいたことで、君が僕自身で、僕は君自身だと誤認していたのだろうか。君と僕は他人で、切り離された生き物だというのに。
「ねぇ、和希」
「ん?どうかしたの、類斗」
この声に応える者が本来いないことを誰よりも知っている。それでも、応えて欲しかった。失いたくなかった、だから造り出した。この応えは、僕の望みだ。
可能性と未来に、馬鹿な僕と君に、君は殺されたのだ。そんな君を生かしたのは僕で、僕を生かしたのは君だ。
あの部屋の一室だけで許された時間だとしても、それだけで良かった。それが永遠では無いとしても。
迫り来る現実が自分たちを追い立てようとも、一度は選ぼうとしても、結局は君の手を離すことができなかった。
僕と君は一緒じゃない、でも一緒にいたかったんだ。きっと君も一緒のはずだ。この応えは、僕の望みだろうか。それとも君も。
「死んだら、どこに行くんだろうね」
「天国…ってあるのかな」
「さぁ、行ったことないから分からない」
死ぬことは人生の終わりだというのに、不思議と怖くはなかった。他愛もない話ができるくらいには、穏やかにその時を迎えられていた。…少しだけ違うかもしれない。けれど、それも全て君のお陰だ。
「もうそろそろかな」
瞼が閉じてゆく。人生の幕が降りてゆく。
永遠に比べれば、一瞬だろうが、その一瞬であっても君といられたなら。
言葉では伝えられないくらいに、愛していた。一瞬では足りないくらいに、傍にいたかった。
もう二度と、
「て、にぎっていくの?」
「はなさないよ」
「じゃあ、おれもはなさない!これからずっといっしょ」
「うん、ぼくたちはずっといっしょ」
「「やくそく!!」」
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