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フィギュアスケート女子で、2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん(42)と、10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した浅田真央さん(33)が、東京都内で対談した。記憶に残る演技で冬の五輪を彩った女王たちがこれまでの道のりを振り返り、パリ五輪に臨む選手たちや次世代のスケーターへエールを送った。
――2人の出会いは。
浅田 初めてお会いしたのは小学1、2年の頃。名古屋から、静香さんのいる仙台の合宿に参加した。
荒川 一目見て「すごい子が出てきた」と思った。当時すでにダブルアクセルを跳んでいた。スケートを始めてまだ2年と聞いて、驚いた。ジャンプだけじゃなくて滑りもきれいで、近い将来、世界を背負って立つと感じた。すぐに世界のトップになった。
――ライバルとしてバチバチやり合った時期もある。
浅田 バチバチしてないですよ(笑)。周りが、ね。
荒川 トリノ五輪前のあの1年ね。私が負のオーラを発しまくっていた頃よ。
――2005年、浅田さんが
浅田 あの時は15歳。若さがすごかったから。一番いい時ですよ。怖いものなしで。
荒川 私は23歳。いろんなことに疲れていた。重圧があるし、他人の評価も受けなきゃいけない、評価と向き合わなきゃいけない。そんな中、真央ちゃんが新しい風とともに勢いよく出てきた。楽しそうだった。
浅田 あの頃が一番楽しかった。無敵でしたね。
荒川 グランプリ(GP)シリーズ2試合で一緒に出場した。真央ちゃんを間近で見て、「私たちの世代に足りないのはこれだ」と。楽しむことがいかに大事かを思い出させてくれた。それは大きかった。
浅田 15歳の頃は楽しいだけで、怖いものなんかなかった。でも、そのうち楽しいだけじゃなくなってきて。荒川さんは、その状態からまた「楽しい」っていう感覚になれましたか。
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