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東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は19日、大手広告会社「ADKホールディングス」側と、大会マスコットのぬいぐるみを販売した「サン・アロー」側から計約5400万円の賄賂を受領したとして、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で再逮捕した。ADK社長・植野伸一容疑者(68)ら3人は贈賄容疑で逮捕し、東京都内にあるADK本社や植野容疑者の自宅、サン・アロー本社などを捜索した。
高橋容疑者の逮捕は4回目。事件は5ルートに拡大し、収賄の立件総額は計約1億9600万円となった。
ほかに贈賄容疑で逮捕されたのは、ADK側の元専務・久松茂治(63)、元担当本部長・多田俊明(60)両容疑者。
発表などによると、高橋容疑者は植野容疑者らから、ADK側がスポンサー契約業務などを担う「販売協力代理店」に選定されるよう依頼され、便宜の見返りとして2017年11月~22年1月、計約4700万円を受領した疑い。贈賄罪の公訴時効は3年で、ADK側の逮捕容疑は19年11月以降の計約1400万円とした。
サン・アロー側からは、ぬいぐるみを公式ライセンス商品として販売する契約の円滑な締結を依頼され、18年10月~21年4月、計約700万円を受領した疑い。
高橋容疑者は、ADK側の計約4700万円のうち約2000万円、サン・アロー側の約700万円を知人が経営する休眠状態のコンサルタント会社を通じて受領し、ADK側の残りの約2700万円は自身が代表のコンサル会社「コモンズ」の口座に振り込ませたとみられる。高橋容疑者は容疑を否認しているという。
特捜部は、サン・アロー幹部や高橋容疑者の知人から任意で事情聴取を実施。引き続き在宅で捜査を進めるとみられる。
ADKは業界3位の広告会社。組織委のマーケティング専任代理店だった大手広告会社「電通」からスポンサーの募集業務の一部を再委託され、協力店として駐車場運営会社「パーク24」(東京)のスポンサー契約業務を担当した。関係者によると、高橋容疑者に対する働きかけは植野容疑者が主導したという。
サン・アローは組織委とライセンス契約を結び、18年7月から大会マスコットの「ミライトワ」「ソメイティ」のぬいぐるみを販売した。
高橋容疑者は紳士服大手「AOKIホールディングス」側から5100万円、電通時代の後輩でコンサル会社「コモンズ2」前社長の深見和政被告(73)(受託収賄罪で起訴)と共謀して出版大手「KADOKAWA」側と大手広告会社「