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異例の鹿児島県警トップら処分、組織の立て直し急務…「多大な不安を与えおわび」頭下げる本部長

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 内部文書を外部に漏らしたとして逮捕された鹿児島県警の前生活安全部長・本田尚志容疑者(60)が、本部長が不祥事を 隠蔽いんぺい しようとしたと訴えた問題で、県警は21日の記者会見で、隠蔽はなかったと強調した。ただ、本田容疑者側と主張が対立しているほか、県警トップの本部長らが処分を受ける異例の事態となり、組織の立て直しが急務となっている。

記者会見で発言する鹿児島県警の野川本部長(左端)(21日午後、鹿児島市で)=木佐貫冬星撮影
記者会見で発言する鹿児島県警の野川本部長(左端)(21日午後、鹿児島市で)=木佐貫冬星撮影

 「皆様に多大な不安を与えてしまい、改めておわび申し上げます」。会見の冒頭で、野川明輝本部長は深々と頭を下げた。

 約1時間20分に及んだ会見では時系列に沿って問題になっている事案について説明。県警枕崎署員が5月に逮捕された盗撮事件について、野川本部長は昨年12月に当時の首席監察官から相談を受けた際、捜査継続を指示したとし、「前生活安全部長が指揮伺いに来た事実は一切なく、『泳がせよう』などと指示した事実もない」と述べた。逮捕までに約5か月かかった点に関しては、人事異動などと重なったことが要因とした。

 県警霧島署員によるストーカー事案についても、捜査を進めたが、2月に事件化を望まないとする被害女性の意向を踏まえて捜査を終結したと説明。関係職員を厳正に処分したとし、「必要な対応がとられていた」とした。

 また、本田容疑者がライターに内部資料を送ったことについて、本田容疑者の弁護人は内部通報のようなもので、「守秘義務違反は成立しない」と指摘していた。これに対し、県警は、資料には被害者の個人情報などの記載があり、一方で本部長が隠蔽を指示したとの記載はなかったことなどを踏まえ、「公益通報には当たらない」とした。

 県警が昨年10月に発行した「刑事企画課だより」で、再審請求対策などとして捜査資料の廃棄を促すような文書を作成したことについては、野川本部長は不適切な表現内容であったことを認め、「不信感を抱かせることになったことについて大変申し訳ない」と謝罪した。

 事件の対応状況などが記載された県警の「告訴・告発事件処理簿一覧表」を漏らしたとして、県警曽於署の巡査長を地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕した事件で、県警は漏えい先の疑いがあるとしてニュースサイト「ハンター」の運営会社(福岡市)代表取締役の男性宅を4月に捜索。男性側は、捜索の際、県警が令状を閲読させなかったうえ、押収したパソコンを返却する際には同意を得ないまま、一部データを削除したと主張している。

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