九州発 西部本社編集局

抗がん剤の小児がん患者家族への曝露リスク「医療従事者と比べると対策不十分」…ベッドの柵などに成分

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 抗がん剤に関する九州大や第一薬科大などのチームの調査結果からは、付き添い家族が小児特有の事情によって、抗がん剤の 曝露ばくろ リスクにさらされている実態が浮かび上がった。子どものつらい闘病生活を支えつつ、家族のリスクをいかに減らしていくか。両立に向けた実効性のある対策が急務となっており、専門家は議論を加速させる。(中村直人)

 「家族は日常的に付き添い、生活援助を行っているが、医療従事者と比べると対策が十分ではない」。調査を担当した第一薬科大の野田優子講師(看護学)は、小児がん患者の家族が置かれる現状をこう説明する。

 抗がん剤はがん細胞を攻撃する一方、正常な細胞にもダメージを与える作用がある。種類によっては皮膚や神経、消化器などに悪影響が及び、頭痛や 嘔吐おうと などの症状が出る恐れもある。

 厚生労働省は2014年、日本看護協会などに対策を徹底するよう求める通達を発出。関連学会は「曝露を限りなくゼロに近づける」ことを目的としたガイドライン(指針)を策定した。

 各病院は医療従事者が抗がん剤を扱ったり、点滴で投与された患者に接したりする際、手袋やガウン、マスクを使うなどの対策を取っている。このため、チームの調査では医療従事者からは抗がん剤の成分が検出されなかったとみられる。

 一方、付き添い家族らを念頭に置いた対策は定められておらず、詳しい実態も分かっていなかった。

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