ウエルシュ菌 出典:内閣府 食品安全委員会
14日、長野市内の学校の寮でウエルシュ菌による食中毒が発生したことがわかりました。提供された食事を食べた生徒など125人が下痢、腹痛などの症状を訴えたということです。
市保健所によりますと、6月8日午後3時30分頃、関係者から「寮に居住している者のうち100人以上が6月6日夜から胃腸炎の症状を訴えている」旨の通報があったということです。
この施設が調理、提供した食事を食べた人は生徒など125人で、下痢や腹痛の症状がありました。患者の多くが10代だということです。
保健所が検査したところ、ウエルシュ菌による食中毒と断定しました。
原因となったメニューは現時点で断定できていません。
長野高専によりますと、食中毒が発生したのは学校の寮で、症状を訴えた患者全員が回復したということです。
保健所はこの施設に食事を提供している日本ゼネラルフードに6月14日から15日までの2日間の営業停止処分を命じました。
長野市保健所
市保健所は次のように注意を呼びかけています。
【ウエルシュ菌について】
人や動物の糞便、土壌、水中など自然界に広く分布する菌です。ボツリヌス菌と
同様に、酸素を嫌う嫌気性菌です。この菌は熱に強い「芽胞(がほう)」と呼ばれる
形態をとり、100℃の加熱でも死滅しません。
カレーやシチュー等を大釜で大量に加熱調理する場合、他の細菌が死滅してもウ
エルシュ菌の「芽胞」は生き残ります。調理後に適切に冷却せず放置すると、食品
の温度が発育に適した温度(40~50℃)まで下がった際に「芽胞」が発芽し、急激
に増殖して食中毒の原因となります。
【食中毒の症状】
潜伏時間は6~18 時間(平均10時間)。主な症状は、腹痛、下痢。一般的に症状
は軽く、1~2日で回復します。
【原因食品】
大量に加熱調理され、大きな器のまま長時間室温で放置されていた食品「カレー」等、煮込み料理が多い。
【ウエルシュ菌による食中毒防止のポイント】
・ 前日調理は避け、加熱調理したものであっても、なるべく早く食べる。
・ 一度に大量の食品を加熱調理したときは、室温で放置せず、保管するときは、小分けして急速に冷却し、冷蔵保存する。
・ 食べる前に、鍋の中をよくかき混ぜながら、沸騰するまで十分に再加熱する。
・ 保存する場合は、10℃以下または 60℃以上に保ち、ウエルシュ菌が増えやすい40℃~50℃にしない。