2024.06.09

クマの攻撃で鼻が半分取れ、「顔中血まみれ」の警察官が「助けてください」と…秋田でクマに襲われ死亡した男性の「壮絶すぎる捜索現場」

野田 洋人

すでに硬直していた身体

佐藤さんの身体はすでに硬直をしていて、左右の腕を身体の前に差し出された格好でした。足もまっすぐではなく、膝が曲がったままでした。そして、顔のあたりにはブンブンと蠅が集っていました。クマに喰われた跡はなかったように思います。

佐藤さんの確認をしたのち、電波の通じる場所まで戻り、警察に連絡を入れてもらいました。その日は女性が行方不明だとかで、警察はそちらの方を優先するということでした。「生きている方が優先だ」と言われました。

その後、警察の到着を待ってから、佐藤さんの遺体を搬送しに向かいました。女性の捜索活動をするとのことでしたから、約半数となります。

 

担架を持った消防隊員が5〜6人と警察官二人です。場所を教えるために、私が案内をしました。捜索隊は皆がクマスプレーやナイフを装備していました。佐藤さんが倒れていた場所に向かいながら、捜索隊の一人がナイフを取り出して「クマが来たらこれでシュッとやればいいんだ」と軽い感じで口にしました。

警察官は私に対し、「危険なので我々の後ろからついて来てください」と言いましたが、彼らもどこに行けばいいのかわからず、何度も私に場所の確認をしました。

笹を刈りながら急斜面を登る途中、まだ新しいクマの糞を見つけました。獣臭もしました。そして、佐藤さんの遺体のすぐ近くに、クマの寝床を見つけました。

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