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電子決済サービスを悪用した「不正決済」と知りながら21万円を現金化したとして愛知、岐阜県警の合同捜査本部は、いずれもベトナム国籍で会社役員の男2人を窃盗容疑で逮捕した。捜査関係者によると、現金化されたのは直近1年間で計約2億円。捜査本部は、不正決済役がいた組織犯罪の可能性も視野に、実態解明を進める。逮捕は1日。
逮捕されたのは、東京都北区、チャン・ヴァン・カン(29)、同葛飾区、ディン・ドゥック・ズン(28)2容疑者。
発表によると、2容疑者は昨年4~5月、それぞれ経営に関与する都内2か所の食材販売店の金融機関口座に、電子決済サービスを通じて振り込まれた計21万円を、不正決済と知りながら引き出した疑い。2県警は認否を明らかにしていない。
捜査関係者によると、2容疑者の口座には、ここ1年で電子決済サービスを通じてそれぞれ1億円が入金。入金から数日後には引き出されていた。カン容疑者とズン容疑者は顔見知りという。
一連の捜査で昨年4月以降、スマートフォンの通信や通話をするための「SIMカード」が愛知、岐阜の2県の携帯電話ショップからだまし取られた別の事件が判明。愛知県警は2人とは別の4人を指示役や実行役の疑いで逮捕している。
電子決済サービスは、スマホなどでバーコードを読み取って店側に代金を支払う仕組み。だまし取られたSIMカードを使った不正決済の売上金が、2容疑者の口座に入った疑いが強まったことから、捜査本部は逮捕に踏み切った。
捜査本部は2日までに2容疑者の都内などの関係先を捜索し、決済用バーコードや複数台のスマホを押収。2容疑者とは別の不正決済役や指示役が関与し、架空取引だった可能性を視野に、捜査している。