《新宿・タワマン刺殺》「借金して2000万円以上貸した」被害女性は和久井容疑者の危険性を気づけなかったのか...「疑問の答え」
平沢俊乃さん(25歳)を刃物で刺すなどして殺害、殺人容疑で送検された和久井学容疑者(51歳)。かつて平沢さんが営む飲食店で顔なじみの関係でなおかつ好意を抱いていたという容疑者はなぜ事件を起こしたのか。そこには愛情が憎しみへと変わるスイッチがあったとみられる。
前半記事「《新宿・タワマン刺殺》「愛車を売って1000万円貸した...」夜の世界の疑似恋愛と割り切れなかった和久井容疑者が失った「唯一誇れたもの」」に続き、専門家に聞いた。
「返報性の原理」とは
東京新宿区のマンションで殺害された平沢俊乃さん(25歳)。殺人容疑で送検された和久井学容疑者(51歳)かつて平沢さんに恋心を抱いていた。
「和久井容疑者は4年ほど前に東京・上野のガールズバーで平沢さんと知り合った。警察の調べに対して『結婚を前提にカネを渡した』などと供述しているようです」(全国紙社会部記者)
ほかにも「(平沢さんと)過去に交際をしていて、経営を応援するために1000万円以上貸した。カネを返してもらおうと思った」などとも供述しており、借金も含めると2000万円~3000万円を平沢さんに渡したとみられる。
愛車を売って作った現金はおよそ1000万円。「自分が本命だ」ということをカネでアピールした、というところだろう。
しかし、2人に交際していた事実はなく、和久井容疑者が一方的に恋愛感情を募らせていただけ。それどころか執拗に平沢さんに付きまとうまでにこじれていた。
公認心理士で恋愛心理学に詳しい和光大学の高坂康雅教授は次のように説明する
「恋愛だけではなく、対人関係では『自分がこれだけのことをしたのだから相手も同じくらい返してくれるだろう』という心理が働きます、これが返報性の原理です」
例えば「プレゼントをあげたら同じくらいのものを返してほしい」「自分は外で働いてお金を稼いでくるから妻には家事と育児を頑張ってほしい」、つまり自分が相手に対して行ったことに対し、相手からも同じくらいの対価を求める、というものだ。