秋葉原無差別殺傷、対峙した警察官の15年…すすり泣いた元死刑囚

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耳傾け続ける

 昨年7月、東大和署で勤務中に、元死刑囚への死刑執行をニュースで知った。死傷した被害者やその家族のことを思い、「これで無念さや憤りが消えるわけではない」と感じた。

 刑の執行は節目ではあるが、自身がやるべきことに変わりはない。「住民の声に耳を傾け、容疑者に更生を促していく」。それが、あの事件を経験した警察官の責務だと信じて。

自暴自棄の末 後絶たず

 孤立した人物が他人を傷つける事件は、秋葉原の事件後も後を絶たない。

 大阪・北新地のクリニックで2021年12月に26人が死亡した放火殺人事件では、容疑者の男(当時61歳、死亡)が孤立と困窮から自暴自棄となり、事件を起こした。長野県で先月、住民2人と警察官2人が殺害された事件では、逮捕された男(31)が「(住民が)自分のことをぼっち(独りぼっち)とバカにしていると思った」と供述した。

 東京未来大の出口保行教授(犯罪心理学)は「社会に居場所がなく人間関係の希薄な人が自暴自棄になると『失うものがない』と凶行に突き進むことがある。行政だけでなく、地域住民が中心となって交流の場を設けるなど、孤立を防ぐ取り組みが重要だ」と話している。

 ◆秋葉原無差別殺傷事件=2008年6月8日正午過ぎ、加藤智大・元死刑囚がトラックで日曜日の歩行者天国に突入。5人をはねた後、通行人をナイフで次々と襲った。男女7人が死亡し、10人が重軽傷。15年に死刑判決が確定し、昨年7月に刑が執行された。

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