秋葉原無差別殺傷、対峙した警察官の15年…すすり泣いた元死刑囚

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殺意どこから

 翌日以降、いつもの交番勤務に戻ったが、元死刑囚のことが気になった。「無差別に周囲に向けられた強い殺意は、一体どこから生まれたのか」

15年前の事件を振り返る荻野警部補(6日、東京都東大和市で)
15年前の事件を振り返る荻野警部補(6日、東京都東大和市で)

 事件の報道に注目した。元死刑囚は自動車関係の短大を卒業後、職場を転々としていた。事件の約3年前から掲示板サイトにのめり込み、仕事以外のほとんどを閲覧や投稿に費やす中で孤立を深めた。掲示板での「嫌がらせ」に怒りを募らせ、やめさせるために事件を起こしたとされた。

 その人生に思いをはせる中、「孤立を深めたことが事件の背景にある。再発防止のために、警察官としてできることをやろう」と考えるようになった。

 秋葉原を管轄する万世橋署から、東村山署、向島署、東大和署と異動を重ねた。住民から「息子が自宅に引きこもっている」と相談を受ければ、「原因に思い当たることはありますか」と親身に話を聞いた。留置場の管理を担当した際は、若い容疑者の姿が元死刑囚と重なり、釈放時に「もうここに戻ってきてはいけないよ」と諭した。

 「社会で孤立しないでほしい」「自暴自棄にならないでほしい」。いつも、そう願ってきた。

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4234162 0 社会 2023/06/12 06:00:00 2023/06/12 01:11:26 2023/06/12 01:11:26 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/06/20230608-OYT1I50106-T.jpg?type=thumbnail
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