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昨年8月に鳥取市に大雨特別警報が出た台風7号による大雨について、日本海の海面水温が平年より高かったため、総雨量が多くなった可能性を示す分析成果を、気象庁気象研究所のチームがまとめた。山陰地方では今夏も台風接近に伴う大雨が懸念されるといい、チームは22日、オンライン開催される日本気象学会で発表する。
近畿を縦断した昨年8月中旬の台風7号の北上に伴い、鳥取県は記録的な大雨に見舞われ、鳥取市佐治町を中心に最大約1800人が孤立。同市では48時間の積算雨量が500ミリを超え、大雨特別警報が発表された。
同研究所の辻野
まず台風の南東側から流れ込んだ暖かく湿った空気が、中部地方の山脈を越える際に乾いた状態となる「フェーン現象」が発生。乾いた空気は、台風の影響で日本海に形成された規模の小さい低気圧を回り込むように山陰地方に流入したが、日本海の海面水温はこの時期、平年より4度程度高い状態が続いており、大量の水蒸気がこの空気に供給され、鳥取市周辺に大雨を降らせたという。
辻野研究官は「台風から離れていても大雨への警戒が必要だということが明らかになった」としている。
立花義裕・三重大教授(気象学)の話「地球温暖化の影響で、現在も日本海の海面水温は平年より2~4度高い。台風が同じコースを進めば、山陰地方で再び大雨となる恐れがある」
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