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ストーカー規制法に基づく禁止命令の件数が昨年、1963件(前年比219件増)に上り、過去最多だったことが警察庁のまとめでわかった。殺人事件に発展するケースもあり、警察庁は今月、禁止命令を受けた加害者全員に近況を確認する新制度を導入した。
禁止命令はストーカーを繰り返す恐れがある人に、被害者周辺をうろつく行為などを即座にやめるよう命じる措置。警告を経ず発出できるようになった2017年以降、増加している。
警察庁によると、禁止命令違反を含む昨年のストーカー規制法違反事件の摘発も1081件(同53件増)で、過去最多だった。傷害や住居侵入といった刑法犯などの摘発は1708件で、4年連続で増えた。
全国の警察に昨年寄せられたストーカー相談は、1万9843件(同712件増)だった。17年の2万3079件をピークに減少していたが、昨年は6年ぶりに増加に転じた。加害者との関係は、交際相手(元を含む)が約4割を占めた。
昨年1月には、福岡市内で元交際相手の男に女性が刺殺される事件が発生。警察は約2か月前に男に禁止命令を出していたが、防ぐことはできなかった。
こうした事態を受け、警察庁は昨年8月~今年1月、禁止命令を受けた加害者全員に警察官が電話や対面で接触し、近況を確認する取り組みを10都道府県警で試行。「状況の把握に有効」との意見が多く、加害者からも「衝動を抑えられた」といった声が寄せられた。
このため警察庁は今月18日、同様の取り組みを全国で実施するよう各警察本部に通達。加害者と接触の都度、リスク評価を行うほか、医療機関での治療の有効性も説明していく。警察庁幹部は「ストーカー被害者の安全確保を確実なものにしたい」としている。