北朝鮮、韓国への道路3本すべてに地雷…南北の対話や協力を象徴するルート

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 【ソウル=中川孝之】北朝鮮が昨年12月頃から、韓国につながる3本の道路すべてに地雷を埋めたことがわかった。韓国軍関係者が29日明らかにした。 金正恩キムジョンウン 朝鮮労働党総書記は韓国との関係断絶を命じており、地雷の埋設で緊張を高める狙いがあるようだ。

 3本の道路はいずれも南北の対話や協力を象徴するルートだ。最も西側は、韓国企業が進出して2016年まで操業した 開城ケソン 工業団地に向かう道路。東側は北朝鮮の景勝地・ 金剛山クムガンサン をバスなどで訪問する際に使われた。

 関係者によると、いずれの道路でも北朝鮮兵らが南北軍事境界線の北朝鮮側で地雷を埋め込んだ。道路脇の照明も撤去された。こうした様子を境界線付近に駐屯する韓国軍が確認した。

 3本のうち中央は、高原を通る未舗装の短い道路で、韓国北部・ 江原道カンウォンド鉄原チョルウォン と北朝鮮側を結ぶ。2018年の南北軍事合意に基づき、朝鮮戦争(1950~53年)の戦死者の遺骨を南北が共同で発掘するため造成された。

 この合意は、左派で北朝鮮に融和的な 文在寅ムンジェイン 前政権時代に署名され、南北の全ての敵対行為の中止を定めたが、北朝鮮は昨年11月に事実上の破棄を宣言した。

 金正恩氏は昨年末、韓国は「第一の敵対国」だと述べ、平和統一路線を放棄した。1月の最高人民会議(国会)では、南北交流の象徴と見なされてきた道路などを「回復不可能なレベルで、物理的に完全に切断」するよう命じていた。

 埋設された地雷の数や範囲などは不明だが、将来、南北の対話や交流が再開しても、地雷の撤去や道路の復旧には相当な時間を要するのは確実だ。

 北朝鮮は地雷埋設に先立ち、南北非武装地帯(DMZ)でかつて撤去した監視所を昨年11月に復元した。韓国側は、北朝鮮が段階的に韓国への圧力を強めているとみて警戒している。

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