中小企業は「高速企業」(特別インタビュー・前編)
落合陽一氏が中小企業が生き残るためのイノベーション(変革)のヒントを語る!
2018年10月26日 公開
<<社会政策学者・阿部彩氏と、貧困の現場を取材してきた鈴木大介氏の「本音の貧困論」。その本音を語り合った『貧困を救えない国 日本』(PHP新書)では、視聴者の見たいものを見せる貧困報道の問題点も追求している。その覚悟の本音トークの一節を紹介する。>>
※本稿は阿部彩,鈴木大輔著『貧困を救えない国 日本』(PHP新書)から一部抜粋・編集したものです
(鈴木)ネットメディアやSNSの問題の一つとして、テレビの一部を切り取ってネット上で炎上するというケースが挙げられます。
実際に番組や報道を見た人の「こんな発言があった、こんな描写があった」というツイートとかを共有して拡散して、元の番組を見ていないのに感情的に批判したり炎上するんです。
もともと問題含みのものも少なくないマスコミ報道を、さらに曲解したものが大きなイシューを持つようになるという、とても悪い部分がインターネットメディアにはあります。
やっぱり新聞の記事でも意訳しないと読めない人は読めないわけです。新聞の記事とか論説というものを曲げて意訳して、一般ウケするポイントだけ説明しているのが、例えば人気ブロガーさんの記事とか、まとめサイトのライターだったりする。
(阿部)誰かわからない、いろんな人が書いていますよね。
(鈴木)わからないです。まったく専門性がない人間がいい加減なことを言ってもね。でも、彼らは何の専門家でもないけど、「多くの人が腑に落ちる」がどこにあるのかの専門家です。
(阿部)主にテレビの話になりますけど、貧困のテーマで、当事者の子どもを安易に映し出すのって、あれはまずいですよね。
(鈴木)あれは怒りしか感じない。子どもをメディアに出しちゃいけない。その理由の一つとして、出たがる子は出たがるんですよ。例えば売春してる十代の子たちでも、出たい子は出たい。
テレビの制作をしてる人たちの知り合いができれば、そのあともしかしたら何か可能性が開けるかもしれないとか、それこそ「アイドルのオーディションに出れるかも」ぐらいの的外れな期待をするぐらい浅はかな子もいますし。
その程度の判断力しかない子どもを出してしまって、その本人がのちに傷つくことのケアは一切ない。
貧困関係の取材を受けた風俗勤めの女の子から、記者に「出て話す義務があなたにある」って脅迫めいたLINEを送り続けられたと相談を受けたこともあります。これは新聞のケースでしたが、それは報道という名のレイプです。
(鈴木)そして、なにより問題なのは、そこに定型化した現場主義というのがあることです。
ニュースの編成が定型化してるんですよ。殺人事件があったら、まずヘリコプターから俯瞰した絵があって、現場近くの人たちがドア越しに話してくれて、スタジオに戻り、パネリストがパネルで見せて、コメンテーターに振るみたいな型が決まっている。
新聞記事だったら五行で済むかもしれない情報をコンテンツとして成立させるために、テレビ番組にはいろいろなものがはさまってくるわけですよね。
そこの中の一つに現場の声を取りましょうというものがあって、それをどこにでも当てはめちゃう。貧困の当事者でも、精神疾患の当事者でも、子どもでも何でも現場の声にしちゃう。絵にしちゃう。
(阿部)なので、番組をつくる側がどういうふうなことを見せるか、の自覚が問われる。
(鈴木)そうですね。
(阿部)以前貧困の子どもの食の問題をテーマにした「NHKスペシャル」に出演したときに、ディレクターの方といろいろお話ししたんですけど、「ぱっと冷蔵庫を開けたときにモノが入っていたら批判が起こる」と。「貧困者の冷蔵庫は空っぽなものだ」という一般感情があるみたいです。
(鈴木)それはもう貧困の本質を逆に見てますね。貧困の当事者の冷蔵庫の中には、賞味期限切れのものがいっぱい入ってるのが当たり前なんです。
(阿部)なるほど。
(鈴木)びっくりですよ。買い物のコントロールができない。必要な食材の量を自分で判断できない。安いものをうまく選んで買うことができない。そういう能力や考える力すら枯渇してしまっている。それが貧困の現実じゃないですか。
(阿部)貧困の現実と一般の人が考える貧困の「あるべき姿」の乖離をテレビが超えられない。本当の苦しい部分をちゃんと見せられない。テレビの製作者やディレクターの方も、配慮しているんですけど、貧困の「あるべき姿」が強化されていくんです。
(鈴木)間違ったバイアスですね。当事者報道には何らかのバイアスが必要ではあるんですけれども、冷蔵庫の中に傷んでいるものがたくさん入ってる状態はちゃんと見せなきゃいけない。
請求書でいっぱいなのに手も付けていないポストを見せなきゃいけない。そのうえで、どうしてそうなってしまうのか、そこから抜け出せないのかを、当事者の苦しさとして伝えなきゃいけない。
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1000を超える企業・団体が一堂に集う産業交流展。優れた技術や製品、サービスを持った企業同士の交流が促されることで、毎年、様々なイノベーションやビジネスチャンスが生まれているが、実はこの産業交流展にはもう一つの魅力がある。
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『Facebookをビジネスに使う本』などのベストセラー著者で、SNSコンサルタントの熊坂仁美氏さんに、中小企業がSNSを運用する際のポイントをうかがいました。
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