
Wikiにて詳細がある。おそらく熱心なファンが書いたものなのかもしれない。
しかしびっくりしたな…作者は還暦を迎える年齢になったんだな。
小学生の頃に現在進行形で読んでたが、我輩自身もファンの一人であった。
ただ、”恋愛青春群像”と説明には違和感を抱いてしまう。
信じられないかもしれないが、アノ、バイオレンスあんど虚無満載の週刊少年チャンピオンで連載されてた。
いや、そういう週刊誌だからこそ、こういう異質な漫画があるから、映えるものがあったのかもしれない。
そして、多くの神話、民俗伝承などをベースに、日常的な(忍者ネタで少しだけ飛びぬけてたところもあるが)範囲においてギャグを絡ませ、若い日々をどう生きるべきかについて、照れくさそうに描かれてた。
その”臭さ”を、同時期に連載してた漫画家とりみきが皮肉り、クロスオーバーでのケンカ(ギャグだが)を色々とやってたのも、思い出としてある。
連載終了以後、こういう漫画を読んだことがなかった。
日常の中の非日常の部分を、肥大化させたものがメインになっていった。
業界にいたから、人気のあるコンテンツについては一通り読んだりしたが、どうにも馴染めなかった。
芳文社がいわゆる”萌え系”の4コマ雑誌を始めた時に、創刊号からずっと買い続けてきた。少し、期待するところがあった。
「
トリコロ」という漫画が、この違和感を癒せる作品ではないかと考え、iモードでのゲームを企画。たしか2006年正月、同社に連絡し、漫画家とも接触したが、最終的に頓挫した。まあ、頓挫した理由は、この作品がどうなったのか知れば、少しご理解いただけると思うが…。
ギャグオンリーではない。
臭い青春モノとかではない。
ただ、ふと、若い頃、あの時、ああしていれば、どうなってただろうか…と振り返り、後悔ではなく、今を生きる自分はこれからどうしたら良いのかを、一度立ち止まり、考えさせてくれる、そんなコンテンツがどうしても欲しかった。
そのような時に、その作品と出会い、密かではあるが、熱烈なファンになった。
そして、昨日、秋葉原でその最終巻を購入した。

我輩は思う。
青春を振り返るきっかけを与える漫画は、もう今後出てこない、と。
これが最後の漫画ではないか、と。
業界を離れて、高い丘の上から覗き込むと、心の深奥で本来”読みたい”ものがなんであるのかということを、知ろうとしない流れしか存在しなくなっている。
余裕がない…のか。
聞いた話では、本作品は徹頭徹尾、作者が一人で描かれてたという。
一人だからこそ、自分の心の中にある、”読みたい”もの、”応援してほしい”ことに耳を傾け、描きつくすことができたのかもしれない。
そして面白いことに、それは誰からも愛される作品へと繋がったのかもしれない。
そっか、もう出ないか、こういう漫画。