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組織検査の結果５年生存率は　５０％。
（律）俺　今　鈴愛と一緒に新製品を開発してるんです。
（鈴愛）そよ風みたいな自然な風の吹く扇風機や。
（晴）おかあちゃん生きとらなあかんなあ。その風　浴びるまで。
田辺さんが…。
（田辺）風がね　やわらかくなるんだよ。壁にあてると。
風を壁にあてると　風がやわらかくなる事を教えてくれて。
…で　律は。うん。
僕たちは風の研究をしました。
扇風機の風をこうして可視化すると渦を巻いている。
つまり自然のそよ風を再現するためにこの従来の扇風機の渦を壊さなければならない。
ならない。そしてモアイ像から田辺さんを思い出した鈴愛が。
（恵子）あっ　モアイ像いいから先　進めて。
（津曲）とっとと進めて。
そう　そのヒントによって壁にあてると渦が壊れる事に気が付いた私たちが開発したのが　これ。
これ。　これ。　これ。
この　たらいみたいなのが壁の役割をして渦が壊れる訳なんです。なんです。
そして　そよ風のような風が…。
おっ　おお…。おお…。
では　いきます。
いきます。
♪～
♪「おはよう　世の中」
♪「夢を連れて　繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の　歌声も」
♪「線路　風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて響け」
♪「つづく日々を奏でる人へ」
♪「すべて超えて届け」
♪～
どうですか？
何か　これ　風？もわ～んとした感じ？
涼しいか？
それに…　見た目　美しくないし。
なあ。
何か　やろかな？
（宇太郎）晴さん　昼どうする？
食堂から何か　消化よさそうなもんもらってきて食べるか？
それとも　うどんでも。ウーちゃん。ん？
私　何かやろうかな？
何かとは？
や…　せっかく元気になってきたし洗濯物畳んどるだけじゃつまらん。
今　食堂は何人か　人来るようになったしな。
＜草太のカツ丼が当たってつくし食堂は生意気にも人を雇うようになっておりました＞
何やらっせる？　釣りでもするか？
う～ん…　釣りは長い事　待っとる時間が嫌や。
ほしたら　２人で一緒に山登りでもするか？
う～ん。　何か考えるわ。
何や　晴さん。　俺と一緒やなくて一人で何かしようとしとるな。
はっ…。
はあ～　嫁は冷たい。年取ると冷たい。　女子会ばっかや。
いくつになっても　女子や。
ウーちゃん！
ほい。　ヘヘッ。
あ～あ　晴さんと山登り行きたかったな。
片方の風で　片方の風の渦を消す。
律　描いてはみたが私たち迷走してないか？
もう　ひとつきもここで立ち止まっとる。
作れるのか？　本当に。そよ風の扇風機。
これは　ないよなあ。
律　今から菱松帰れないか！？
うわうわ　うわうわ！　それだけは言っちゃいけないやつだ。
う～ん…。
アイデアが必要だ！何か　こう…障害物に風をあてたり風で風を消したりするのではなくこの扇風機の渦を消す方法を…。
お前　何にも考えてないやろ？俺ばっかり考えてるやろ。
いやいやいや　考えてた。っていうか　思い出しとった。
今の律を見て漫画家時代に描けなくなって筆を折った手前の自分を。えっ　俺　筆折るの？
ううん　違う違う違う。
何だろう。　あの時私は絶望しかなかったけれど律には　それを感じない。
なぜ？
何でやろ。
律を天才って信じとるからかな。
それは　ちょっと　うれしい。
そりゃ　よかった。
私も考える。　ない頭なりに。
いや　違うぞ　鈴愛。
お前は気付いてないかもしれないけどなこの　そよ風の扇風機だって発案は鈴愛。
壁に風をあてて扇風機の渦を壊す事だって鈴愛のアイデアだ。いや　田辺さん。　モアイ像。
（ノック）・（花野）ママ　律いらっしゃいますか？カンちゃん。　どうぞ！
（光江）こんにちは～。すいません　光江さん。
仕事場まで来てもらって。いんや　いんや。
来てみたい思とったんえ。
や～　ほんまに学校なんやなあ！
学校をオフィスに。　おもろいな。フフフフッ。
あっ　こちら…。あっ　いんや　いんや。
お宅にお邪魔したえ。あっ　そうか。
あっ　その節は　どうも。あっ　チキンライスおいしかったっす。
（花野）おいしい！お～　それは　よかった。
ここは　ラーメンは塩しかない。塩に特化している。
トッカとは？
う～ん…それしか作らないって事？
わざと？　あえて？　売り？
カンちゃん　スケートどうなった？あっ　そうだ！
カンちゃん　バックジャンプ跳べるようになった！
４級になった！お～　すげえ。
あの　後ろ向きに滑りながら跳ぶやつか？うん！
前は　泣いて申し訳なかった。
カンちゃん　悔しい！
頑張ったのに…。
カンちゃんはああいうとこがあって困る。
あ…　大丈夫。
そこ　律　大丈夫。
本当か！？うん。
え…　カンちゃんを？
うん。　あかんかなあ…。
（光江）涼次が会いたがっとる。
（涼次）ごめん　鈴愛ちゃん。
あっ　ごめん。
忘れて。　鈴愛ちゃん　ごめんな。こんな事　言いだして。　忘れて。
ほいで私には　カンちゃん見させてな。
みいバアバも　むうバアバもめえバアバもカンちゃんの事　大好きや。
私が余計な事　言うて鈴愛ちゃんにもう　カンちゃん預けんなんて言われたらみんなに怒られてしまう。あっ　ううん　光江さん。
そんな事は　全然…。ほうか？
私も　カンちゃんのスケート見んの楽しみでなあ。
ありがとうございます。感謝しかないです。
本当に。私一人では東京に来てからとても　カンちゃんを育てながら働けなかったと思ってます。
でも　ただ…。
あっ　分かった。　分かった。
忘れて。　涼次の事は。　なっ？
（光江）許せんよな。　そりゃそうや！
あんなアホンダラ！
忘れて。　なっ。
ごめん　ごめん。
涼ちゃん…。
元気…　ですか？
律！カンちゃん　今日　あれやった。
あのね　みんなで手つないでガ～ッと滑る。ん？
リンクの向こうから　こっちまで教室のみんなで手をつないでガ～ッと滑る。
ああ　律　分かった。　了解した。
あの　エキシビションでスケート選手よくやるな。
こう…　最後の方に。みんなで手つないでスワ～ッと滑ってくるかっこいいやつ。
あれやったのか？律　あれ　テレビと違う。
本当は　すごく難しい。
同じ速度？同じ速さで滑るのがポイント。
ふ～ん…。みんなのスピードが合わないと崩れる。　へなへな～ってなる。
♪～
ラインが崩れる…。
渦が壊れる。
ごめん　カンちゃん！
律　先に　オフィス戻る！ごめんね。
律！
♪～
あった！　これだ！
鈴愛！　これ…　これ。ここ　何で二重になってる？
えっ　花を模したから。花みたいな扇風機。
花みたいに扇風機の羽根が二重になっててもいいと思って。
それだ。　二重構造だ！えっ　二重構造？
二重構造の羽根だ。
内側の羽根と外側の羽根で風の速度を変える！
外側の風の風速が速ければ内側の遅い風に引き込まれて渦が壊れるはずだ！
えっ。
ただいま～。　律　いきなり行くからカンちゃん　びっくりした。ラーメンおいしかった！カンちゃん　ありがとう！
な…　何事や？　何事や？　あ～あ！
律　律！　まだ　確かめてみてない。
えっと　何だっけ？開発は　仮説　実験　検証！
＜まあ　あの。私など　素人からすると何が何やらさっぱり分からない訳ですが…。律君は　カンちゃんとのおしゃべりによって多大なヒントを得スパロウリズムは大きな転機を迎えます＞
＜二重構造の羽根の改良に次ぐ改良。外側と内側で速度の違う羽根＞
♪～
＜さて　そして　完成＞
＜自然のそよ風！扇風機で再現できるか！？＞