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♪～
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
（晴）言わんでもよかったのに。
（草太）ほやけど 後から怒られる。
（宇太郎）鈴愛帰ってきよらっせるか。
土曜日。まだ初期や。 手術すれば治る。
大げさにする事なかった。
ほやけどうちにとっては 一大事や。
肉屋の伊藤さんも ゴロちゃんもガンやりゃ～た。
あっ ほうや鈴愛がお世話になった秋風先生もやっとったやろ？いまだにお元気や。
新刊 ようウーちゃん買ってきよらす。
騒ぐ事ないって。
まあ でも 手術するし。
まあ 手術は ちょっと怖いな。
ほやな晴さん 手術した事ないもんな。
鈴愛 産む時 結局 帝王切開もしなくて済んだしな。
俺は オペした事あるぞ。盲腸やけどな。 ハハハハッ。
盲腸ぐらいで 何 威張っとる。
お前も 年取って物分かりようなったな。
昔は 「ビキニが着れんくなるで嫌や」って。
いつの話 しとる。
あ～ ほんでも ほやったなあ。
昔は 私も美人やったでな。
お母ちゃん…。
今でも美人やろ。
正しい夫や。（宇太郎）ハハハハッ。
まあ ええやん。鈴愛 帰ってくるか。
あっ 草太 飲むか？うん。
あっ ふき味噌あったわ。
℡
鈴愛やな。おねえやな。
あ～ もう 面倒くさい。
「何で お母ちゃん言わん！」って怒る。 うるさい。 もう 草太出て。
おかあちゃん ふき味噌。
℡
はい もしもし。（鈴愛）お母ちゃんに代わって！
お母ちゃん…。
鈴愛 泣いとるんやったら出たない。
おっ…。
おねえ 泣いとるか？はあ！？
お母ちゃん 泣いとるんやったら出たないって。
何や その言い方！今 やっと帰ってきて花野お風呂入れて 寝かしつけてやっと やっと 電話しとるのに！
（草太）あんまり 「大丈夫なの？」とかお姉ちゃんのテンションで言われたないんやないか？お母ちゃん。℡うん？
おなかに傷が出来るでナーバスになっとる。
誰がや？ もう６０過ぎたわ。
カンちゃんも 大地もおっておばあちゃんや。
もしもし。
お母ちゃん！ 鈴愛や！大丈夫か？
何で すぐ電話してこん！
あんたの その ものすごく心配する感じが目に浮かんで耳に その声が聞こえるようでよう電話しなんだ。
失礼な事言われとるような気もするけど分からんでもないな。分からんでもないか。
あんたも大人になったな。
あっ ほうや お母ちゃん！私 律に会った。
えっ あんた お母ちゃんのガンの話は まあええんかね？
あっ それは夕方草太から詳しく聞いた。
オペの方法も 図解でファックスしてもらった。 理解した。
家族で結束してお母ちゃんを助けようって話で決着がついとる。
あっ ほいで ほうや！マア君にも会った。
まあくん？ 誰や。
℡ほれ 覚えとらん？一回 お母ちゃんの事東京駅まで送ってくれた。あの デート切り上げて。ああ あの 優しそうな。
ほうや。 マア君は ３か月くらい前屋台引いと…。
[℡]屋台？
いやいやいや。
屋台みたいなタイ料理屋で偶然会って律は つい この前。
どっちか 再婚してもらえんかね？
お母ちゃん私も もう アラフォーや。
３９や。 なかなかなあ…。
ほうか なかなかか…。
この人んたあ 何をしゃべっとる？
あの子は勘がええのかもしれんなあ。ん？
ああ見えて。 関係ない話わ～ってして 電話切った。
ほやったか。
あれ わざとやないかね？どやろ。
手術の話は怖いで私も あんまりしたない。
晴さん…。
何や…。
ほんだって ほんだってウーちゃん。
あの子の発明品 知っとる？何い？
「きれいだよ～」っていう鏡とチヤホヤ粉。
あと 「ま～あかん やっとれ～ん」って大きな声で言っても小さな声にしてくれるま～あかん袋やと。
フフフッ… アホやな あいつは。
ま～あかん袋は 今度持ってきてもらおうと思うんや。
何や 晴さん「ま～あかん！」って叫びたいか。
ほんなら いくらだって俺の胸で叫べばええぞ。 フフッ。
「ま～あかん！やっとれ～ん！」って。 ヘヘヘッ。
ほうか。 フフッ。ま～あかん袋 私は要らんな。
フフフフッ。
この家も 寂しなってまったな。
人口密度 低いな。何や それ？
ほんだって ２人きりや。う～ん ほやな。
（晴）ほやけど 何かあるとこうやって帰ってきてくれるのはええね。
（宇太郎）うん。
♪～
おやすみ。はい おやすみ。
♪～
♪「命かけてと」
何 歌いや～す？
子守歌や。
いらん。ハハハハッ。いらんか。 いらんなあ…。
俺は センキっつぁんみたいに歌うまないしな。
フフッ。
♪～
お母ちゃ～ん！ 大丈夫か～！？心配や～！
神様 頼んだぞ～！
「ふぎょ」。
あと 言っとかないかん事…。
あっ。
津曲～！平気な顔して帰ってきやがって！
私は毎日 債権者に土下座した～！
「ふぎょ」。
何で これ売れん？
律… お帰り。
[℡]
メールや。
（律）「大丈夫か スズメ。ハルさん どうだった？」。
＜「さっき話した。 元気そうだった。今日は ごめん」＞
＜「そうか。なんでも出来ることあったらやるから 言えよ。もう寝とるかと思ってメールにした」＞
＜「サンキュ 律。 おやすみ」＞
♪～
＜鈴愛は律君の「なんでも出来ることあったらやるから言えよ」を握りしめて寝ました＞
＜そして みんなが眠る夜です。全ての夜だけでも安らかでありますようにいい夢を見られますようにと おばあちゃんは空で思っています＞
＜さて その日鈴愛のシェアオフィスではオープンオフィスフェアが…＞
（花野）カンちゃん このエプロンでカニ売ります。
こうやって こうやってカニを釣る。
ん？ よう分からんけど…。
＜カンちゃんはそこのフリーマーケットでカニを売る予定でした。が…＞
（チャイム）あっ 来た。
＜それが 鈴愛が岐阜に帰る日と重なってしまったので正人君と律君が連れていく事になりました＞
（正人）おはよう。カンちゃん おはよう。
悪いね。 大丈夫？うん。
カンちゃん 今日 お泊まりまでず～っと一緒だよ。
本当に ママいなくて平気？
うん。 カンちゃん みいバアバも「おいで」って言ってくれたんだよ。
カンちゃん律と正人の間に寝たい！
おお… この子 魔性だったか。
（恵子）うわ～ お待ちしてました！
カンちゃん ちょっと久しぶり！こんにちは～。こんにちは～。
正人君も こんにちは！こんにちは 恵子さん。
ここはね子ども連れてきてもいいから恵子さんは カンちゃんの事よく知ってるんだ。
あっ 初めまして。 萩尾 律です。
緑の惑星から来ました。加藤恵子です。
では 朝井さん カンちゃんはフリマのご準備に。
萩尾さんは ここ初めてですよね？案内しましょう！
えっ…。
ロボット…。
あら 興味が？
南村さん お客さん いいですか？
今 いきなり開けましたよね？あら 失礼。
南村さんはかつて 大手自動車メーカートンダのロボット開発部にいらっしゃって独立して ３年前に ここに。
南村さん。え？
覚えてないですか？ 萩尾です。萩尾 律です！
ああ～ えっ？ あ～ えっ あの西北大学 宇佐川研究室の萩尾か？はい。
えっ 嘘 知り合い？
Twishort
