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(律)海外赴任の話 打診された。
スタンフォードと菱松電機のロボット制御の共同研究の話があるらしくて。
翼を連れてきてほしい。
もう一回 やり直したいんだ。
(鈴愛)バイバイ 律。
頑張れよ 鈴愛。
<あれから 2年後 2010年。律君は アメリカから東京に戻ってきていました>
早乙女さん。 これ 2割カットでおさめて下さい。
この予算は出せません。
(早乙女)分かりました。
(早乙女の舌打ち)
<律君は菱松電機経営企画部技術課の課長になっていました。各セクションの開発や研究の予算管理をします。まっ 要するに 予算の締めつけ。時には リストラのような事も>
♪~
風の音が聞こえん。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて響け」
♪「つづく日々を奏でる人へ」
♪「すべて超えて届け」
♪~
(チャイム)
おお~ 久しぶり。(正人)おお~ 久しぶり。
あれ アメリカ帰りハグとかするんじゃないの?
ああ… する?
やっ。まっ ここ 日本だしな。
ハハハッ だしな。どうぞ どうぞ。
まだ 全然片づいてないけど。
へえ~ いいじゃない!
ごめんね なかなか来られなくて。こいでも 結構 仕事忙しくてさ。
<正人君は法律関係の出版社勤務です。2人は 西北大学卒業後もちょくちょく連絡を取っていました>
いや~ 正人が探してくれた ここ最高。
でしょ? 俺さ そこの川べり散歩する度にあ~ ここ いいなあって思ってたの。
何かツタとか絡まっちゃっててさ昔の同潤会アパートみたいで何か いいなあって。
悪いな。 本当は 正人ここ入りたかったんじゃないの?
ううん。ちょうど 律から その時さ東京の菱松の本社に戻るってメールあって。
…で まだ部屋決まってないって言うから貼り紙見てはいって すぐ手あげちゃった。
俺だけだったら引っ越してないよ。
だって 面倒くさいもん。フフフッ。
それに 律がここに住めばこうやって遊びに来られるしね。
うん。あっ ビール買ってきた。
おっ 以心伝心。 枝豆ゆでてた。おっ いいね~。
ここ 誰か来たりする?
や… 誰も。
そっか。 まあ そっか。引っ越したばっかだもんな。
ねっ 知ってる? ここ。
何?住所 風の谷7丁目だよ。うん。
律 これから住所書く度に俺は 風の谷の住人だって思えるよ。手紙もらった時とか。確かに。 何か かっけえな。
でしょ。 俺んとこはね 植田町。普通~!
あっ そっか。 正人んとこは風の谷じゃないのか。そう。
はい 久しぶり。お久しぶりです。
あ~!
何か 俺ばかりしゃべっている気がするね。
アハハッ。(正人)フフフフッ。
や… あんまり 人としゃべってなかったからな。
この前まで英語だったし。(正人)あっ そっか! ペラペラ?
や… 全然。センスなくて 最後まで駄目。
読めはするけど しゃべれねえ。ハハッ しゃべれねえ。
うまそう これ。 うん。
あんま 気ぃ遣わないで。ん?
ナチュラルに会話していたつもりだったが…。
気遣いが にじみ出ていた?
腫れ物に触る感 あった?うん。
風の谷とかさ。ん?
風の谷とか聞いたら悲しくなるじゃん? 何か。
スナフキンか? 俺は。ハハハッ。
それ ムーミン谷。あ…。
(チャイム)おっ。あっ 来た。
来たよ。ハハハッ。
(宇佐川)ハッハッ お約束かと思って。
結論から言うとだなあちと難しい。
<実は 律君の勤める菱松電機この6月で ロボット部を閉鎖してしまいました>
リーマンショックのせいでどこのメーカーも守りに入ってしまった。とにかく ロボットは金がかかる。
まず 切り捨てられる。
いや 口がない訳でもない。だがな 萩尾君。
君が菱松とスタンフォードでやってたトルク制御のような研究はもうやれない。
あそこが トップクラスだ。
律は どんな研究をしてたの?
一貫して 俺がやってたのはロボットがいわば障害物をなぎ倒さずにまるで人間のように柔らかくいなすロボットの制御システムトルク制御。ん? すまん。
いいや。 難しかった。
律君の研究はすばらしいものだった!
ありがとうございます。
[℡]ああ すいません。
電話。あっ…。
[℡]
ちょっと失礼。
あ~ はいはい。 うん。 えっ 嘘。うん ちゃんと振り込んだよ。
うん 見てみて 通帳。
あ~ 大丈夫? よかった。
うん。 うん じゃ。 あ~ ツバ…。
すいません 養育費の確認。(宇佐川)ああ…。
<律君はアメリカに妻子を呼んだもののやはり アメリカ。 外国。より 家族のストレスは たまりひとつき前に離婚が成立しました>
ん! これ うまいっすよ。
今日はわざわざ すいませんでした。
東京で昔の仲間の集まりがあったんで ついでだ。
先生! 先生 これ 忘れ物。
あ~ それは お土産。
土産…。
あっ あの~萩尾 律さんのお宅…。
あっ ここですよ。あ~ お客さんですか。
では 私は これで 失礼して。あ~ 先生 駅までお送りしますよ。
いやいや ほろ酔い気分で川べり一人で散歩!
いいです~。
五平[℡]~。
五平[℡]~。
五平[℡]は いかがですか~?
え~ こちら 小川友美さん。
お久しぶりで。お二人でチロを!
どうも ありがとうございました。
チェロ?俺ら チェロ弾かないよね?
チロだよ 覚えてない?白いしば犬。
俺らが海藤高校受験行く日に。
えっ! えっ!?あのワンちゃんの飼い主さん?
(友美)はい。 チロは あのあと26年生きまして先月 天国へ行ったんですけども長寿犬として ギネス世界記録にも載りまして…。え!?
今日は 都内であったそのパーティーの帰りなんです。
え…。これ…。
お二人に 是非。あ…。
ハハハハハハッ! すっご~い。世界記録だって!
あと 忘れてた。
これ 来る途中の川べりに五平[℡]の屋台あって… そこで。
五平[℡]の屋台!? 珍しい。
あ~ でも あれだね 律。その… えっと。
あっ 小川です。 小川友美。
小川さんとね連絡取ってたんだね。
年賀状のやり取りだけさせて頂いて。ああ そうですか。
お二人の海藤高校の受験を犠牲にして本当に本当に ごめんなさい。いえいえ。
私も 子どもができて受験シーズンにさしかかって初めて どんなに大変な事をお二人にさせてしまったか…。
本当にどうも ありがとうございました。
(2人)いえいえ。
すいません五平[℡]2本お願いします。
お~ 本当や。 五平[℡]の屋台や。
律君 岐阜弁なっとる。へえ~。
あ~ じゃ 生2つ!あいよ。
♪~
え…?お帰り 律。
お前…おばさんになったなあ。
やってまった。 ごめん。
はい。
や~ 俺 生まれて初めてビール浴びたわ。
野球選手の祝賀会の感じを体感しました。
でも 律君 あれはないでしょ?おばさんって。
いや 正人も人が悪いよ。
鈴愛が この町にいるの知ってたなんてさ。
いやいやサプライズだったんだよ。
3か月ぐらい前かな?駅の辺りで屋台で五平[℡]焼いてる鈴愛ちゃんと再会してさ。
ほんで 今日さ 今日ディナーに鈴愛ちゃんとカンちゃん呼ぶ予定だったの。そこで2人を会わせる予定だったの。
それなのに もう~ 律ときたら五平[℡] 五平[℡]と。
えっ お前ら つきあってんの?
つきあってないよ。何 言ってんの。
俺 好きな人いるし。えっ それも聞いてねえし。
えっ 写真見る?恋人。 マイ ラバー。
♪~
(花野)ママ。 ママ まだ?
まだまだ。 いけるとこまでいくよ。
(チャイム)
は~い。律!
カンちゃん 久しぶり!
お前… どうした?
どうや。 おばさんやない。
美魔女や。