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(律)えっ。(龍之介)え?
(菜生)え?(鈴愛)誰?
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
あれ どこかでお会いした事が…。
えっ 鈴愛 ナンパ? 逆ナン?
(津曲)いやいや…あの 一回会ってますよ。
あの 覚えてませんか?僕 ここに 一回来てますし。
あっ 黄色いネクタイ!
いらっしゃいませ!どうも。
ねっ お忙しいでしょうから手短にいかせて頂きます。
え~っとですね 私 現在ですね企画会社をやらして頂いております。 はい。
さまざまなですねイベント会社とかメーカーさんにですね自らの企画を持ち込んで実現するというそういう仕事ですね。
まっヒットしたやつといえばですねひめっちというね。(龍之介)ひめっち?
竹が割れて ひめっちが出てくるとこからスタートするゲームですね。 最初は ずっと食事を与えてるんですけども年頃になったら ひめっちにイケメンを与えないと死んでしまうというですねそういう楽しいゲーム。
それ パクリやん。卵を姫にしただけや。
(津曲のせきばらい)
あっ ちょっと名刺見て頂けましたか?ヒットエンドランという会社のですね社長をやっております。
ピッチャーが投げたと同時にランナーが走るというですね一回のヒットでチャンスが拡大。1+1が3になる。
ハイリスクハイリターン。そういう気持ちでですね…。
何を言ってんだ?
ずっとそこにいたのかみたいなね顔をされてらっしゃいますけどもね 実はですねあそこにいたんです。 電博堂。
ああ 広告会社最大手の。
そうなんです。 超エリートの人しか行けないというそこにいたんです。 実際。ただですね ちょっと やっぱねその 大きい会社の歯車になっていいんだろうかと私 ちょっと考えましてね。(せきばらい)
(津曲)よし これは自分の可能性に賭けてやろうと…。
ちょっと ごめん 俺 用事が…。逃げる気か? 律。
そちらは ご夫婦ですか?(2人)いえいえ。
あ~ 津曲さん。はい?
こんな田舎まで再び訪れたその ご用件は?
そうそう 実はですね 私 あの~この岐阜に来るのが2度目でございまして。
1度目はですねカツ丼フェスという企画を考えておりました時にですね来たんですよ。
(4人)カツ丼フェス…。あの つくし食堂というですね食堂のカツ丼を ちょっと偵察に来た訳です。 前回。
あの 何か ネットで何かすごく評判よかったんで。
ああ 草太のカツ丼や。ああ。
まあ ただですね 私 ちょっと頂きましたけども…まっ 少~し味が薄かったなっていうね…。
もしや 東北人?あっ 違います。 あの 熊本ですね。
ちょっとね カツ丼の方はいまいちだったんですけども…。草太に言っときます。
ああ 言わなくていいです。言わなくていいです。
なんですが その時にですね五平□のタダ券を頂きましてね。
うちの五平□も味薄かったですか?
味の薄い五平□なんて終わりだ。
あっ ああ 大丈夫です。すごくおいしかったですよ。 はい。
五平□フェアのお誘い?聞いてもらっていいですか?
僕 しゃべります はい。それでですねそん時に ここに来たんです。
そこで私 世紀の大発見をさせて頂きました。
それがですね 何を隠そうこちらにいます 岐阜…あれ? 岐阜犬がいない。ああ 岐阜犬なら あっちの方に。
あっ! いたいた 岐阜犬。ここに。 岐阜犬君!
(健人)どうしたの?
楡野さん。 鈴愛さん。
あの… この岐阜犬を この私に任せて頂けませんでしょうか?
えっ どういう事?
あっ はい。 この岐阜犬をですねあの トイギャラクシーに企画として持ち込んで商品化して 売り出したいと思っております。
トイギャラクシーってあの 有名な おもちゃ会社の?
あっ そうです。お~ すげえじゃん 鈴愛!
ごめんなさい。岐阜犬は もう しゃべらない。
えっ…?
いやいやいやそこ 俺に気ぃ遣うとこ?
何か 違わない? まあ 和子さんはそりゃ あれだけど。
すみません 津曲さん。
津曲さんは この岐阜犬が本当にしゃべると思ってましたね?
(龍之介)えっ そうなん!?人工知能? AI!?
2008年の今 そこまで?
ごめんなさい 津曲さん。岐阜犬をやってたのはうちの母だったんです。
いや… いやいやいや ちょっと。
皆さん 僕の事バカだと思ってるんですか?
分かってました。 それぐらいの事。
誰かが しゃべってんだろうなって事ぐらい分かってました。
岐阜犬は その胸にそれ用の電話を仕込んでインターネット回線を使ってパソコンと音声通話をしパソコン側にいる人がボイスチェンジャーを使って話す。
いやいや… そうだろうと思ってましたけどね。
そうですよね…。
うん… あの この私はですよ?
善良な私は このアイデアをパクらずにですよわざわざ ここに来て頂きたいとお断りを入れにわざわざ参った訳でございます。
その からくりは 後ほど あのまた ゆっくり聞かせて下さい。
何せですね この岐阜犬のルックがいい! これが! ねっ!是非ですね トイギャラクシーに持ってってプレゼンしたいと思ってる訳ですよ。
何だ… プレゼンって事はまだ通るかどうか分からないって事ですよね。
僕ね 実績ありますから。ひめっちがありますから。
♪~
(宇太郎)お~い カンちゃんジイジとお風呂入るか?
(花野)は~い!(戸が開く音)
よいしょ。 何 描いとんの?
真央ちゃん。
(晴)ほんで 岐阜犬の権利渡してきたか?
うん。 ライセンス?でも これから プレゼン?
何か その トイギャラクシーに売り込むんやと。
でも まあ どうせ 駄目やろ。
(晴)ご苦労な事やね 東京から。うん。
お母さんが 岐阜犬を通して子どもと話したらええんやないかって。
ああ なるほどね。
子どもは お母さんがしゃべっとるって知らん訳やね?
犬がしゃべっとると思う。そうそう。
ふ~ん そりゃ 楽しそうや。
ほやけど 私は…岐阜犬 もう あんまり見たない。
悲しなってまう。
思い出してまうな。
(弥一の鼻歌)
<弥一さんは まだ目のつく所に和子さんの写真を飾れないでいました。泣いてしまうからです>
<それでも 毎日をきちんとクリアしていこうとしていました。そう 弥一さんにとっては毎日はクリアすべきものとなりました。しんどいね。 大変だね。でも 日にち薬だよ。絶対 だんだん 楽になります>
♪~(レコード)
ただいま~。
あっ お帰り。
お父さん レコード終わってる。
あ…。
あっ ねえたまには 外で飲もうか?
え?
(ドアベル)
(まさこ)いらっしゃい。あ~ら イケメン親子だ。
(弥一)お疲れさま。お疲れさま。
お父さん 今日さ…。うん?
部長に呼ばれて。うん。
海外赴任の話 打診された。え?
スタンフォードと菱松電機のロボット制御の共同研究の話があるらしくて。
制御技術は俺の専門だから。
へえ~。詳しい事は よく分からんがいい話なんじゃないのか? 律。
すごいよ。きっと おかあさんも喜ぶよ。
(まさこ)おめでと。あっ ありがとう。
うん… 正直 うれしかった。
すごいね 律君。 スタンフォードおばさんだって聞いた事あるよ。
オックスフォードとスタンフォードは知っとるよ。
あれ 何か迷ってるのか?
うん…。まあ まだ決定じゃないし。
打診だから。うん…。
アメリカ行ったらまず 3年は帰ってこられない。
うん。
家族の事もあるしね。 より子と翼。
連れていけないのか?より子さんと翼。
翼の学校が…。
ああ…。
せっかく受験して入ったからね。
うん…。
だから やっぱり大阪本社に戻ろうと思ってる。
そうか…。うん。やっぱり 家族は一緒にいないと。
翼 まだ小さいし。
そうだな。
今度の事では不自由させた。申し訳ない。
何 言ってんの。
俺が いたかったんだよ。お母さんのそばに。
最期は家族3人で過ごしたかった。
そうか…。
うん。だから そうできて よかった。
そうか。
だからこそ今度は大阪戻らないと。
うん…。より子さんも翼も待ってるな。
翼には まだパパは必要だ。
弥一さん。 俺にも パパ必要だよ。
ハッハッ何を言っとる いい年して。
いや 本当に。
・(笛の音)
・(笛の音)
さて どっちだ?
鈴愛か カンちゃんか…。
どっち どっちどっち?
おはよう カンちゃん。おはよう!