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(晴)では いかせて頂きます。
(鈴愛)はい。
(宇太郎)どうや?
(晴)では次。
うん?
どっち?どっちどっちどっちどっち?
どっちが おいしい?う~ん…。
俺に任せろ!
うん。
ん? ん?
(晴)ね?(宇太郎)うん。
(仙吉)では 私が。
よし 合格。
本当? おじいちゃん!
やった~!
(花野)ただいま~!お帰り!
あっ カンちゃん お帰り!あれ? カンちゃん 一人?
律が送ってきた!えっ 律 もう帰ってまった?
帰った!皆さんに よろしくって!
あの子 今 手に何か…。
カンちゃん 何 読んどる?
ママの漫画!え?
カンちゃん 読めないから見てる!
ちょっと待って。見られるだけでも嫌! 返して!
返して! 返して!
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
[℡]
観念して さっさと出ろ![℡](呼び出し音)
あんたは どういう言い方しとる。
[℡](呼び出し音)
[℡](律)はい 出ました。
何で カンちゃんに ばらした?
あ~ 何か 流れで。
隠しときたかった。
うん ごめん。
でも どうして?ん?
何で隠すの?
挫折した。 結局はドロップアウトや。 かっこ悪い。
カンちゃん 言っとったぞ。
ママに絵 描いてもらった事ないって。
[℡]お絵描きしてて何か描いてって言ってもママは今まで一回も何にも描いてくれた事がない。
徹底しとるな。
私は ペンを持ったら本気出しそうで怖い。
[℡]子どもの前や。よりいいとこ見せようとしてプロの絵を描きそうや。ただ者ではないと思われたらかなわん。
ただもんじゃないじゃん。
「一瞬に咲け」名作だよ。
触れられたくない。
まだ そこか?[℡]え?
まだ そこにおるんか?
いくら 友達でもいくら親友でもいくら幼なじみでも同じ日に生まれとってもいっくら 律でも…言っていい事と悪い事がある。
キレた。
(龍之介)やっと手に入れた お姫様なのに その途端 そのお姫様も生身の そしてただの人間と分かり 落胆する。
それが 結婚!(草太)うわ…。
(ドアベル)(まさこ)いらっしゃい。
あっ 律君 こっちこっち。草太…。
律にいちゃん こんばんは。こんばんは。
珍しいね このツーショット。
や… 一人で飲もうと思ってきたらブッチャーさんが飲んでて。
いや~ 拉致した。 ハハハハッ。酔っ払い。
ほしたら おかあちゃん先にお風呂もらうね。は~い。
♪~
ツグミや…。
カメコや…。
♪~
さすが 上手やな。
そうか…。草太の嫁さん 嫉妬深いか。
きれいなのにな~。 フフフッ。
はい。 たまには一人で飲みたくなります。
愛されてんじゃないの?
うちの姉ちゃんくらいボケが楽かも…。
いや~ あれは 嫁には!姉にはええけど。
あっ 鈴愛 呼んでみようか?
あっ ちょ… 今日は やめとこ。ん?
昼間 ちょっと ブチ切れられて電話切られた。
あっ そうなん。
絵 カンちゃんに描いてやればええやないか?
喜ぶぞ カンちゃん。
漫画家やったってのもばれてまったんか 今日。
うん。 そこで止まっとったらよかったけどそのあとが かっこ悪い。
やめてまった。
かっこ悪い事は知られたない。
かっこ悪いか? かっこ悪ないぞ。ママ 頑張ったんや。
結果は どうでも それが一番かっこええ事やないか?
おじいちゃんはお前が頑張ったのをよう知っとる。
私 ま~ あかんかもしれん。
そうかあ。漫画家 ま~ あかんか。
(仙吉)なんてな フフッ。かっこええ事 言ってるけどお前の気持ちは よう分かる。ん?
おじいちゃん すねてまって五平[℡]作るの 嫌になってまった。
ほやったの?
ほりゃ ほうや。こっちで五平[℡]焼く横で「カツ丼! カツ丼!」って客に言われてみ?
まあ ええか。 もう作らんでもええかってなるわ。
子どもみたいやな。ハッハッハッハッハッ。
鈴愛 教えたるわ。
人間っちゅうのは大人になんかならへんぞ。
ず~っと子どものままや。
競争したら勝ちたいし人には好かれたいしお金は欲しい。
フフフッ。ハハハハッ。
何やそれ。
ほやで お前が2号店って言ってくれておじいちゃんの五平[℡]継ぐって言ってくれてうれしかった。
おじいちゃん…。
(仙吉)五平[℡]焼いて おいしいって食べてくれる人がいてうん こいで よかったんやって思った。
そいだけの事や。
そいだけの事… か。
そいだけの事や。 忘れたらあかん。
♪~
あの木曽川をな こっちと向こうで糸電話で話したんやて。
律 川に落ちてな。(2人)アハハハハッ!
どう? 和子さん 具合。
うん ありがと。 いい感じ。そっ。
♪~
出来た。
カンちゃん?
(宇太郎)「いつも君が跳ぶところを見てたよ。跳んだ瞬間は夜空に花火が広がるみたいで息をのむんだ」。
「シオリ…」。「えっ な… 何で何で 私の名前?」。
(襖が開く音)
お父ちゃん 何やっとる?何やっとるってお前お前の漫画読んでくれって…。
やめて。 やめて! 音読しないで!
恥ずかしい…。
こっちだって恥ずかしいわ。
ママ…。
ん?カンちゃん 感動した。
えっ!?
♪~